新たにシステムを始動させる B254 『メタアーキテクト──次世代のための建築』(秋吉浩気)

秋吉浩気 (著)スペルプラーツ (2022/2/28) 『建築家の解体 Reinventing Architects』を読んで興味を持ったので購入。 『建築家の解体』は著者が肥やしとしたであろう先駆者へのインタビューであったが、本書はその肥...続きを読む »


新しいイメージを思い描くことが建築をほんの少しだけ自由にするかもしれない B253『大栗先生の超弦理論入門』(大栗 博司)

大栗 博司 (著)講談社 (2013/8/21) 『点・線・面(隈 研吾)』で量子力学や超弦理論が引き合いに出されていたので、おおまかなイメージだけでも掴めたらと思い読んでみた。 (図書館で関連図書を探して借りたけれども、10年ほど前の著書...続きを読む »


全体性から逃れる自由な関係性を空間的に実現させたい B252『現代思想入門』(千葉 雅也)

千葉 雅也 (著)講談社 (2022/3/16) デリダをはじめ哲学者の言説はいたるところで目にしてきたけれども、体系的に学んだことがなく、その都度ぼんやりとしたイメージを頭に浮かべることしかできなかったため、このブログでももう少し体系的に...続きを読む »


自然とともに生きることの覚悟を違う角度から言う必要がある B251『常世の舟を漕ぎて 熟成版』(緒方 正人 辻 信一)

緒方正人 (著), 辻信一 (著, 編集) 素敬 SOKEIパブリッシング (2020/3/31) あるきっかけで水俣の仕事に関わったのと、以前読んだ本で著者に興味をもったので読んでみた。 生国という言葉は水俣病に関する運動をされていた緒方...続きを読む »


建築が築く新しい関係性の芽 B249 『建築家の解体 Reinventing Architects』(秋吉浩気)

秋吉浩気(著)VUILD BOOKS(2022/02/16) 興味はあったのだけど、twitterで予約受付開始のアナウンスがあってから、あっという間に限定1000部が完売となった。 購入を逃したと思っていたところ、たまたまtwitterを...続きを読む »


父から子に贈るエコロジー B248 『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』(森田真生)

森田真生 (著) 集英社 (2021/9/24) 前に読んだ2冊『数学する身体』『計算する生命』が面白かったので、数学者(と括ってよいかはわからないけど)がこのタイトルで何を語るのだろうか、と気になったので読んでみた。 パンデミックが起きた...続きを読む »


知覚のよろこびと、場所への信頼 B247 『あらゆるところに同時にいる:アフォーダンスの幾何学』(佐々木正人)

佐々木 正人 (著)学芸みらい社 (2020/3/24) ここのところ、移動時間などに何冊も読みためていたのだけど、忙しすぎてなかなかこちらに書く余裕がなかった。 ようやく、少し落ち着いてきたので順番に書いていきたいと思う。 あらゆるところ...続きを読む »


本質的なところへ遡っていく感性を取り戻す B251 『絶望の林業』(田中 淳夫)

田中 淳夫 (著)新泉社 (2019/8/6) 日本の森林面積は日本の国土の67%、約3分の2が森林である。(H29年) 林業の持つ可能性は計り知れないものがあるに違いない。と思うけれども、どうやら問題は山積みらしい。 建築の業界にいながら...続きを読む »


宝の山をただの絵にしないためには B246 『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』(藻谷 浩介,NHK広島取材班)

藻谷 浩介 (著), NHK広島取材班 (著)KADOKAWA/角川書店 (2013/7/10) 10年近くも前の本であるが、これまでの流れからようやく手にとって読んでみた。 あまりじっくり書く時間がないけど、先に進みたいので簡単にでも書い...続きを読む »


物語を渡り歩く B245 『自然の哲学(じねんのてつがく)――おカネに支配された心を解放する里山の物語』(高野 雅夫)

高野 雅夫 (著)ヘウレーカ (2021/8/20) 「人新世の資本論」を三分の一ほど読んだ頃、これは里山資本主義的な話につながるのでは?という気がした。 と言っても、藻谷浩介の「里山資本主義」は「流行ってるな」と横目で見ていただけで未読だ...続きを読む »


システムに飼いならされるのはシャクだ、というのは個人的なモチベーションとしてありうる B243 『人新世の「資本論」』(斎藤 幸平)

斎藤 幸平 (著)集英社 (2020/9/17) 売れてる本なので少し敬遠していたのですが、前回の流れから一度読んでみようと購入。 SDGsはまさに現代版「大衆のアヘン」である。(p.4) 序文からアオリ気味で始まる本書は、ざっくりいうと、...続きを読む »


高断熱化・SDGsへの違和感の正体 B242 『「人間以後」の哲学 人新世を生きる』(篠原 雅武)

篠原 雅武 (著)講談社 (2020/8/11) 「高断熱化・SDGsへの違和感の正体」というのはキャッチーな見出しのようだけれども、今感じてることを素直に書くとこうなる。 今まで感じていた違和感はどこから来るのか。それに関してこの本を読ん...続きを読む »


「普通さ」だとか「凡庸さ」だとかいった言葉はかえって邪魔になる B241『建築家・永田昌民の軌跡 居心地のよさを追い求めて』(益子義弘他)

益子義弘他 新建新聞社/新建ハウジング (2020/6/2) 永田昌民のこれまでの代表作をとりあげ、クライアントや益子義弘、堀部安嗣、趙海光、倉方俊輔、三澤文子、横内敏人、田瀬理夫といったメンバーがコメントをよせながら永田昌民の建築の本質を...続きを読む »


自分が追い求めてきた「新しい凡庸さ」とは何か B240『建築の難問――新しい凡庸さのために』(内藤廣)

内藤廣 (著)みすず書房 (2021/7/20) 字も小さめだし、読了までしばらくかかる、と覚悟してたけど、スラスラと、出張期間中で読み切れた。 理論書というよりは個人的な覚悟の話(と受け取った)ので予想していたほど難しくはなかったけれども...続きを読む »


情報革命後の自由と建築 B238 『新記号論 脳とメディアが出会うとき』(石田 英敬, 東 浩紀)

石田 英敬, 東 浩紀 (著)ゲンロン (2019/3/4) だいぶ前に買ったまま積読状態になっていたところ、最近新幹線での移動時間を利用して読了。 ショーヴェ洞窟壁画とリュミエール兄弟に始まり、ライプニッツ、ソシュール、フロイト、フッサー...続きを読む »


認知心理学的な視点から建築を設計することの意義を問う B237『Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる』(バーバラ・トヴェルスキー)

バーバラ・トヴェルスキー (著)森北出版 (2020/11/6) 9つの認知の法則 本書は豊富な実験事例をもとに、認知心理学の視点から身体・空間・思考のダイナミックな関係を描き出す。 著者の挙げる認知の法則は以下のようなもの。(原文より英文...続きを読む »


計算を繰り返す中から新しい意味を見出す B236『計算する生命』(森田真生)

森田 真生 (著)新潮社 (2021/4/15) 計算は、規則通りに記号を操るだけの退屈な手続きではない。計算によって人はしばしば、新たな概念の形成へと導かれてきた。そうして、既知の意味の世界は、何度も更新されてきた。(p.195) 本書で...続きを読む »


分かることへの衝動にもっと素直に従うこと B235 『数学する身体』(森田真生)

森田 真生 (著)新潮社 (2018/4/27) 前回読書記録を書いたのが昨年の10月ごろなので1年近くぶりの投稿になる。 追いつかない仕事を、後ろから走りながら追いかけ続けるような状況がずっと続いていて、読書も折り紙もほとんどできていなか...続きを読む »


コロナ禍においてどのような思想を持つことができるかが問われている B234『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(熊代 亨)

熊代 亨 (著)イースト・プレス (2020/6/17) 以前、千葉雅也氏のツイートで というのを見かけ、気になったので購入しました。 始まりは違和感から 小学生の頃、近所の団地に住んでいた友達が、少し遠くの小綺麗な新興住宅地の小綺麗な家に...続きを読む »


「政府への信頼」と「市民相互の信頼」を確立していくために B233『コロナが変えた世界』(ele-king編集部)

ele-king編集部 (編集)Pヴァイン (2020/6/24) ウイズコロナの時代をどういった思想を拠り所としていけばよいか。もしくは、拠り所としてはいけないか。 自分の中でもそういうところが今もぼんやりとしています。 コロナに関連した...続きを読む »