つくる楽しみをデザインするにはどんなアプローチがあるの?

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3つの願いで書いた「つくる楽しみをデザインしたい」について、これまで何度か書いてきているのですが、今一度まとめてみたいと思います。

「住むこと」の中に「つくること」を取り戻す

「住まう楽しみの半分は、つくることの中にある。」

ある哲学者がこんなことを言ったそうです。

「つくること」は、本当は人間的な営みで、住むことの楽しみにもつながることですが、今は住宅は単なる”商品”になってしまっています。

「つくること」を家づくりに取り戻すことは、住むことを豊かにすることにつながりますが、そのためには3つのアプローチがあります。

1.直接的に「つくること」を経験してもらう

一つは、DIYなど、お客さんに直接「つくること」に参加してもらうことで、「つくること」を取り戻す方法があります。
そのまんまつくることを経験するので効果は高いですし、つくる技術を身につけることもできます

2.職人さんの「つくる技術」によって「つくること」を届ける。

今のつくられかたの多くは、その多くが工業化された商品を買いそれを配置するだけです。
それに対して、職人さんの手仕事には、その技術の長い歴史、職人さんのこれまでの修練、職人さんの手さばきなど、いろいろな「つくること」が含まれています。
それは、できあがったものにも現れるので、住んでからも「つくること」を感じることができます

今一度、職人の技術に光を当てることで、「住むこと」の中に「つくること」を取り戻せるのでは、と思います。

3.設計によって「つくること」を埋め込む

どういうものを、どうやってつくるかを考える、と設計も「つくること」の醍醐味です。
「つくること」をとことん考えたものは、その考えた跡が現れるので、住んでからも「つくること」を感じることができます

設計者の役割の一つは、とことん考えることで「住むこと」の中に「つくること」を取り戻すことだと思うのです。

施主・施工・設計の三者が「つくること」と向き合う

この3つのアプローチは、それぞれ、建築に関わる3者、施主・施工・設計とピッタリ重なります。

施主・施工・設計のどれもが、つくる楽しみから遠ざかってきたと思うのですが、つくる楽しみを取り戻すには、施主・施工・設計がそれぞれが、あらためて「つくること」と向き合うことが大切だと思います。

(ちなみにオノケンのロゴの三角形は施主・施工・設計の三者の関わり合いを表していたりします。)

インセクトの方でも解説していますので、興味のある方はのぞいてみてください。

インセクト | 第12話「つくる楽しみをデザインする」




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