選択の幅を拡げ持っておく B297『テクテクノロジ-革命: 非電化とスロ-ビジネスが未来をひらく』(藤村 靖之)

藤村 靖之 (著), 辻 信一 (著)
大月書店 (2008/9/1)

少々古い本だけども、著者の考え方に触れるための一冊目として読んでみた。

選択の幅を広げ持っておく

辻氏の、実際に破綻するまでほとんどの人は動かないけど、行き着くとこまで行くしかないのか?という問いかけに対し、藤村氏はこう答える。

そうかもしれない。でも大事なことは、行きついたときにそれで終わりではなくて、そこから新しい国づくり、世界づくりへたくましく進んでいかないといけない、ということです。そのために具体的な代替策を、きちんと着実に実行している人たちが少なからずいる、という状況をつくっておくことが大切ですね。(p.67)

また、非電化の発想はどこから出てくるのか、という問いかけには、

このグローバリズムの行きつく先に明るい希望はあるのか、と100人以上の人に質問をしてみたんです。未だかつて、一人も明るい希望を見出している人はいません。政治家も、学者も、学生も、主婦も誰も明るい希望を見出していないのに、全員でそっちに向かって進む。なにか変です。つまり、選択肢がそれしかないという状況なんですね。新しい選択肢を提供するのが発明家の仕事ですから、グロール化と電脳化のアンチテーゼとして、ローカル化と非電化を自分の役割と定義しなおしたんです。(p.40)

と答える。

本書の中に、代替策や選択の幅という言葉が何度か出てきたけれども、選択の幅を拡げ持っておく、ということの重要性を再認識させられた気がする。

それはなにも、行きつくところまでいったその先のためだけではないだろう。

今、この時間の中に、何か大切なものを引き寄せるためでもあるし、そうでなければ続かない。それに、オルタナティブであるというだけで、愉しくなってこないだろうか。

非電化、つまり、電気を使って解決する、ということを一旦禁じてみるだけで、生まれるアイデアや問題に向き合う姿勢は大きく変わるように思う。
そこから何を見つけ出すかはその人次第だと思うけれども、少なくともそこには遊ぶための余地が広がっている。

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