KDP2010だらだらと雑感

日曜日にKDP2010が開催されたので行ってきました。
当日の様子はこちら。
KDP2010、閉幕!! – KAGOSHIMA Design Project
kdp_commission @ Ustream.TV

当日はアカツキさんのオープンハウスに車で行った後、自宅に車を置いてから向かったので少し時間が足りず、全ての案をじっくり見ることが出来ませんでした。

だけど、せっかくなので僕自身のリハビリも兼ねてそれぞれの案に対して思ったことを書いてみます。
ざっと見た範囲で誤解も含めた僕なりの感想という程度ですが。

|  それぞれの案に対して思ったこと

KDP_Commission: http://twitpic.com/1bf5pv – 1.菊野慧案。「ハコモリンク」 #KDP2010 [03/28 11:25[org]]


住人の数、世帯数によって増えていく住宅による新しい住宅の買方を提案する。生活に必要なハコを必要に応じて買いたしていくことで若者に住宅購入を促いす。家族が解体するときには階段の組み替えにより、新しい家族がが住む集合住宅へと形を変える。 #KDP2010 [03/28 11:35[org]]


最近人気の分散型案。組み換え可能な階段がフレキシビリティを増加させる点がおそらくオリジナルで所有(賃貸)する単位の大きさを自由に設定できるのが社会的な提案といえる。
ボックスそのものを組み換え可能にすればカプセルホテルの平積み版にもなりそうだけどそれだと焦点がぼやけるか。
同様のシステムでスーパーストラクチャーを組んで都市的なレベルからフラクタルに構成して言ったらどんな絵になるだろう。
ここからさらにオリジナリティを高めるのは結構ハードルが高そうだけどプランをしつこく追求して行けばもっと面白くなりそう。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1bf9b9 – 2.大久保伸彦案。「回廊型集合住宅」 #KDP2010 [03/28 11:37[org]]


集まって住むことはある程度の1人の世界を保つ必要がある。現在の閉鎖的、内向的な集合住宅は1人の世界が小さな空間に追いやられているのではと考えた。そこで開放的、外向的でありながらも1人の世界が保てるような集合住宅を提案する。 #KDP2010 [03/28 11:41[org]]


説明を受ける時間が足りなかったせいもあるかもしれないが”1人の世界”とプラン・形態の間に必然性を感じ難かった。”一人の世界”とそれをつなぐ共有部分のあり方がもっと形態に現れてもよさそう。
(意図したものであればいいけど)”一人の世界”が結局全体の中で繰り返されるパーツの一つでしかないような表現になっているのが気になった。
”回廊”の概念や歴史的な事例をもっと追求すれば発展の可能性がありそう。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6lcy – 3.清原達也案「空間の白衣」 [03/28 11:54[org]]


四国 88 箇所を巡礼するおへんろさんは、白衣、菅笠、杖という非日常の衣装を身にまとっているため、市街地は歩きづらい場所となる。そのような市街地に、自然の要素を取り入れたおへんろさんのための休憩所を設ける。 #KDP2010 [03/28 11:54[org]]


床や屋根、建築そのものが揺れ動く様子は一度見てみたい気がした。これも、お遍路さんと建築の関係性に必然性を見つけにくかった。白衣を着た集団がここで揺らめいてるのはそれはそれで面白くも異様な光景。
このアイデアをもとに周辺との関係性を含め、あえてランドスケープというより建築と言えるように挑戦してみるのも良さそう。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6pl4 – 4.チーム松村案。「ハイブレラ」 #KDP2010 [03/28 11:55[org]]


降灰に悩まされる鹿児島では生活する上で難題なのが洗濯である。降灰中は洗濯物を外に干せず、それに伴い人の行動は 内に閉じてしまう。本提案では、洗濯を媒体として内に閉じるのではなく内に開く集合住宅を提案する。 #KDP2010 [03/28 11:55[org]]


灰から建築を考える難しいテーマに対して、”灰”と”人々のアクティビティ”と”コミュニティの密度”を関係付けたところが面白いと思った。灰コンペの途中経過ということで今後の発展に期待して最初の投票で1票入れた。
講評のコメントではリアリティについて厳しい意見が多かったけれど、個人的には必ずしも牧歌的なイメージを捨てる必要はないと思う。
一般票のみで2次審査に勝ち上がってきたのは一般の人の中にそういうイメージに対しての欲求があるのかもしれないし、そうイメージを守りながらもリアリティを引き寄せ、さらに斬新なイメージを上乗せできるかどうかは腕の見せ所とも言える。
傘の形態である必要はないと思うし、夏に向けてこのアイデアそのものを捨てるのもありだろうが、ここからどう展開していくか楽しみ。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6ra3 – 5.中野智弘案。「 Radiate Gate 」 #KDP2010 [03/28 11:56[org]]


大空間内でエキサイトする観客や競技者のもつ雰囲気・空気を外部に”放出”することをテーマに、放出のための吸収の流れや放出先を充実させるように設計を行った。 #KDP2010 [03/28 11:56[org]]


残念ながら説明を聴く時間が足りなかった。”放出”というのは例えば気流や音の反射なんかを計算しているということだろうか。
例えばこの建築を”放出器”と名づけてしまい、それを大袈裟なぐらい形態にあらわすと大胆な案が出来そうだと想像してみた。
わざとらいいぐらい大げさにポーズを取ってみると、それに合わせてアイデアが浮かんでくるというのはあると思う。そのギャップを埋め切れないとイタい感じが残るのでプレッシャーにもなるし。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6spk – 6.salaa 案(代表:梶岡良多)。灰が彩るまち【アーケード×集灰場】 #KDP2010 [03/28 11:56[org]]


都市に生活する人はどれだけの灰が降っているのかを知らない。ここに、集灰場へと形を変えたアーケードがある。アーケードは灰を受け入れ、その下には人々の生活が広がる。灰が降った日、まちは彩られる。 #KDP2010 [03/28 11:56[org]]


これも説明をほとんど聴けなかった。大きく覆ったアーケードが何を目指したものなのか分からない分だけ興味も湧く。残念だけど夏までとっとくか。何か申し訳ないけど。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6uns – 7.マルタ G 案(代表者:丸田祐翠)。「 Haideline ー鹿児島的都市のススメー」 #KDP2010 [03/28 11:57[org]]


灰降る鹿児島の都市を再考する。現在の都市に灰のためのルールが加わることで、都市を構成する要素のカタチは少しずつ変化していく。灰に制限される事のない、豊かな生活のできる都市を目指す。 #KDP2010 [03/28 11:57[org]]


法規制を含めストレートにルールや対策を考えた案。現実的な提案と非現実的な提案が混ざっている印象。
リアリティをもっと追求していく中で飛躍したアイデアが出ることを目指す方向と、ルールそのものとそこから導かれる建築の面白さをもっと追求して行く方向がありそう。
地味な案とインパクトの強い案、どっちに向かうかは未知。
僕的には楽しげなイメージを描いて欲しいかなー。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6xgi – 8.和田大典案「 t – structure 」 #KDP2010 [03/28 11:58[org]]


木でつくるシェルの提案。小さな木の集合でつくられたこのカタチは、材同士がお互いを支えあうようにして出来ている。 周辺環境に呼応しながらつり合い状態を変えることで、このカタチは次々と姿を変えていく。 #KDP2010 [03/28 11:58[org]]


シンプルな構造システムの提案。シンプルなので様々に展開可能な気がする。
構造自体はそれほど特別な感じではないので、シンプルゆえの可能性をディテールまでつめると面白そう。
これもフラクタルな展開が出来そうな気がするし、屋根に限定する必要もないと思う。
やっぱり最終的には建築としての楽しげなイメージを描いて欲しいかな。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b6ypb – 9.佐藤寛之案。「モザイク/都市」 #KDP2010 [03/28 11:59[org]]


「ご近所さん」を意識しながら暮らす 20 戸の集合。各集合一階に異なった都市的施設を有し、それらがモザイク面により区切られることで緩やかに連続する全体の集合。本来あるべき都市像の縮図としての集合住宅を目指した。 #KDP2010 [03/28 11:59[org]]


なぜか説明を受けた気になっていて説明を受け忘れてた。ユニテ的な都市内包型集合住宅かな。モザイクの抜けの部分が相当多いのでかなり贅沢な集合住宅になると思われる。
抜けの部分がありますよ、というのは簡単だけども、実現を目指すとなれば、それをコスト的な面でクリア出来るかどうか(低コストで実現する工夫、又はコストに見合った必要性を主張出来るか、もしくは同様の効果を別の手段によって達成する)が決め手になるのでそういう方向での検討が次のテーマになるかもしれない。(もしかしたらそういう工夫があったのかもしれないけど)
僕ならどうするだろうか。たぶんもう少し密度を上げた上で、”モザイク”という言葉から生まれるイメージをもっと追うかもしれないな。
また、イメージを描いてそこを目指すのも大切だし、そのイメージがどうして自分の中に生まれたのかを探求するのも意義があると思う。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b70co – 10.立花彩子案。「カベにわ」 #KDP2010 [03/28 11:59[org]]


人と人とが自然とつながりをもてる集合住宅を目指した。ここでは、住人同士がカベを共有しながら暮らす。カベによって作られた曖昧な空間である「にわ」は、住人同士のコミュニケーションの場となる。 #KDP2010 [03/28 12:00[org]]


これも何故か説明を受けた気になってて説明受けそこねた。
単純な壁の扱いで多様な場所が生まれるのはうまくまとまっている印象。
シンボルとなるような建物を目指したというような発言があったので、なるほどと思ったのだけどもしかしたら合同講評会で出た”一人の秩序”問題の案かな。
この問題に僕も明確には態度を決めきれてないのだけど、ケースバイケースだとすればシンボル性はこの敷地ではありうるのかもしれない。
その辺に対しては自分なりの言葉でとことん考えたらいいと思う。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b722h – 11.西園誠案。「交錯する都市」 #KDP2010 [03/28 12:00[org]]


建築と土木がひとつになった風景の提案。 地方都市近郊の水田風景を断つような高速道路を、細長い住宅や商業施設の連続で構成する。そこには、遠景と近景の異なったイメージが同居した新たな風景が広がる。 #KDP2010 [03/28 12:00[org]]


異なる速度が重なる風景は確かに見てみたい。
だけど、やはりこういう大規模開発のようなものが必要なのかという問いはどうしてもついてくる。
それに対して想定している地域にこれが建つことの何らかの必然性みたいなものを提示できればより詩的な風景になるかもしれないし、逆にありえないことが詩的な感じを生んでるのかもしれない。
なかなか掴みきれない案で面白かった。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b73rv – 12.東佑二郎案。「ありえたかもしれない都市」 #KDP2010 [03/28 12:01[org]]


空き地が増加することが、新しい効果を生み出す建築の提案。現在の都市を否定し新しい形態をゼロから造るのではなく、 1 つのルールを与えることで、 既存の都市や建築と連続する 空間・時間の流れを持つ建築を考える。 #KDP2010 [03/28 12:01[org]]


合同講評会の時から”ありえたかもしれない”ってどういう意味だ、とずっと気になってた案。説明を受けてそのタイトルに込めた思いがやっと分かったし、その思いにすごく共感できた。
この操作によって生まれる空間も好みだったし、地域の歴史が重層していくイメージとそれに呼応する詩的なイメージのタイトルがうまく響き合っていたので1回目の投票の時から2回目はこれに入れようとほぼ決めていた。
最終的にこの案がグランプリになったけど、素直におめでとうという感想です。
何か課題になるようなことを書きたいけどそれは思いついたときにでも。

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b759o – 13.立花組案(代表者:木村直樹)。「鹿児島の家」 #KDP2010 [03/28 12:01[org]]


桜島を見渡す斜面にたたずむ、灰と生きる住宅の計画。週末にはここで友人や親戚、隣人を呼んで焼酎を酌み交わしたりして過ごす。灰を受け入れるようにひっくり返した屋根は、住宅地の中にすっと浮かんでいる、そんな住宅をめざした。 #KDP2010 [03/28 12:01[org]]


このイベントの前に灰に対する自分なりの考えを持っておこうと考えてたんだけど、本質的なポイントまでは至らず簡単なイメージがいくつか浮かんだだけ。
その中で砂時計ではなく灰時計みたいなイメージがあって、それがこの案に似てた。この案に対しては屋外に落としてたのがちょっと勿体無いなーというのと、そんなに灰だけ流れねーべ、というのが最初の印象。後この見せ方だと雨と灰の分離がテーマになりそう。
直接的に灰をテーマにして形態を作るのは思ってたよりずっと難しい。灰に対するスタンスが問われているw

KDP_Commission: http://twitpic.com/1b77f9 – 14.菊池晃平案。「灰色に染まる街」 #KDP2010 [03/28 12:02[org]]


「灰が降る」という特異な自然環境を持つ鹿児島。この街の住まいはそんな環境に対応しきれず、様々な問題を抱えている。降灰に対応した新たな住まいと住まい方の提案。 #KDP2010 [03/28 12:02[org]]


卒業生で扱ってたというだけあって細部までつめていて説得力があり、何より説明がうまかった。
灰に対しても自分の幼い頃の経験を意識的に建築に結びつけていて言葉に好印象を持った。
ただし、本人も言っていたようにこういう順位を付ける場で建築としてのインパクトが足りないのは確かだと思う。
手順を踏んで考えて行けばこうなりました、というのも分かるけれども、それが完全に合理的理由から導かれた形というわけではなく既存のイメージに引きずられた部分もあったかもしれない。
特別なイメージが必要かどうかというのは別問題だけども、今回のような進め方に対して例えば美的なファクターを取り入れる方法は探せそうな気がする。
(例えばモデュロールが厳密な幾何図形を前提とせずとも美しさを担保したから、コルは形の自由と有機的な野生を獲得できた、という分析もある。

なんかたいしたことが書けないと思ったら、僕はあんまりコンセプチュアルな設計の経験がなかった。
今年は一つぐらいコンペに出してみるかな。

|  その他雑感等

□まずはこういうイベントを企画・運営するエネルギーにありがとう。貴重な機会を頂きました。

□今回クリテイークの大半が建築分野外ということで、普段慣れ親しんでいる視点とは異なる視点からすごく大切な意見がいくつかあったように思います。僕としてもきちんと振り返ってみたいですし、他の方々が何を感じたかも聞いてみたいです。

□建築以外の方がどれぐらい来たのか、どれに入れたのかが気になりました。クリティークの方は色分けしてましたが、建築関係者とそうでない方との色を変えても面白いかなと思ったり。

□建築以外の方の意見をもっと聞いてみたいです。また、一般の方にどう届けるか、ということに対して手応えとともに学ぶことが多かったように思います。

□議論の場として発展させるのはけっこう難しいことなんだなと思いました。時間の配分や、議論の際のレイアウト、議論のテーマの拾い方・絞り方、等検討の余地はありそう。その場で何らかのテーマが浮かび上がってそれについて活発に議論が交わされるのが理想なんだろうなと感じました。理想として。

□大寺さんのブログで指摘もありましたが、発表者の解説を聞かなければ分かりにくかったのは課題かもしれません。ある時間の中でやれることには限りがあるかもしれませんが文字等の大きさや情報のメリハリ等イベントの形式に合わせた見せ方があるように思います。

□上記との関連で例えばA4数枚程度ですぐ印刷できる予習用のシートを事前にPDFで配布する等はどうなんでしょうか。それだと事前に質問も考えられるし。

□懇親会の他のテーブルでの会話がめちゃくちゃ気になります。Ustの音が割れてるのが残念。(前日音が小さいのを指摘しすぎました・・・)

□懇親会では井原先生やあごぱんさんとお話ができ、自分の足元を再確認できました。ありがとうございました!

□大きい模型は迫力がありました。でも、僕はどっちかというと小さい模型が好み(今1/100で作ってる住宅模型をときどき全部1/200にしたくなるぐらい)。大きく慣ればなるほど手のひらでぐるぐるといろんなアングルを試すのが難しくなるし、それゆえ空間を感じてもらえなくなる可能性があります。例えば鳥瞰で模型をみただけで分かった気になってしまったり。先程の見せ方の問題で大きい方が見やすいというのはありますが。

□灰コンペ、けっこう手強そう。灰を嫌なもんだと受け入れなさいとか、気まぐれで降らなくなることもあるとかいろいろな意見も出たようです。いろんなスタンス(灰をポジティブに捉える、ネガティブに捉える、どちらでもなくフラットな条件の一つとして捉える、リアルに考える、妄想に走る等々)がありそうなので、まず自分のスタンスを意識するところが大切そう。

□全体的に社会的なテーマの作品が多かったように思います。僕が大学の頃は狭義の「建築計画学」的な案しか考えていなかった(学校の課題に対して冷めてたのもありますが・・・)。
そういう社会的なテーマをどうやって建築につなげていくかに対する葛藤がみえて共感できました。それは僕も抱えている葛藤だし、それに対するスタンスも意識的であるべきですが、僕も確固たるスタンスを持てていません。

□KDPと並行して鹿児島デザイン会議があればいいなと思ったり。

□二次会は大人ひとりの参加だったので自重した方が良かったのかなと思ったり、たまたまブルー繋がり(twitterネタ)の@misopppの隣に座りまた話し込んでしまったのですが、もっといろんな発表者と話せばよかったとかなり反省。基本的に超シャイなので。

□結構酔ってたのか市電に乗りそこねて2時間歩くことに。こういうのは結構好き。

とりあえずこんなところで。文体滅裂失礼。。。




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