B069 『意中の建築 上巻』

中村 好文
新潮社(2005/09/21)

しばらく堅苦しい傾向が続いたので、だいぶ前に買ってからゆっくりと見れなかった中村好文を開いてみる。

さまざまタイプの建物が選ばれているが、そこに共通しているのは、建物から息遣いが聴こえるということ。

それは建物がいろいろな関係を築くことが出来ているということだと思う。

自然との関係・宇宙との関係・書物との関係・地形との関係・生活との関係・時間との関係・街並みとの関係・製作者との関係・・・・・・
当然、その中には建物と人間との幸せな関係も含まれる。

著者のスケッチにも息遣いが聴こえる。やっぱりこういうのもいいなぁ。

建築が機能的で、合理的であることにまったく異論はありませんし、ダイナミックな空間構成も大いに結構。もちろん、鉄とガラスとコンクリートだけで作られたミニマルアートのような、スカッと簡潔明快な建築に感動しないわけではありませんが、ふと、それだけが建築のすべてになってしまったら、建築ならではの「物語性」と「神秘性」が、「機知」と「ユーモア」が、そして「夢」というかけがえのない宝物が失われてしまうことに気づき、寂寞とした思いにとらわれるのです。(p36ストックホルム市立図書館)

私を魅了したのは、家族用の動線さばきの鮮やかさと、居心地の良い場所をサラリとしつらえる達意の平面計画です。・・・(中略)・・・住宅の動線は暮らしの機微に寄り添っているだけでなく、それ自身が「驚きと発見に満ちた小さな旅」でありたいものです。そして、その上で「愉しく」なければなりません。(p112ケース・スタディ・ハウス#1)




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