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ファーストプレゼンについて~図面とCGと模型で、敷地のポテンシャルとイメージを共有する

ファーストプレゼンに時間をかけている訳

特別なケースを覗いて、通常は最初のヒアリングから1ヶ月程度の時間を頂いて、一つの案をじっくり検討してからプレゼンさせていただくようにしています。

簡単なプランは数日でも作成できるのですが、短い時間で考えた案をすぐに見せてしまうと、お施主さんも私自身もその案にイメージを引っ張られてしまい、様々な可能性を狭めてしまうことがよくあります

そのため弊所では最初にある程度の時間を頂き、敷地のポテンシャルを最大限引き出して、そこでの生活のイメージが湧くような案を、自分なりに納得できるところまで詰めてからプレゼンさせていただくようにしています。

図面とCGと模型で、敷地のポテンシャルとイメージを共有する

と言っても、ファーストプレゼンの案はあくまで最初のたたき台という位置づけで考えています。

その後打ち合わせを重ねて案が大きく変わることもありますし、ほとんどそのまま最後までいくこともありますが、それはどちらでも良いという考えです。

ですが、その敷地や予算などの条件でどんな大きさの建物ができるのか。また、どんな生活のイメージを描くことができるのか、その規模感のようなものを最初にお施主さんと共有しておきたい、との思いから、それを、できるだけ分かりやすく伝えることにかなりの時間を割くようにしています。

それを最初に共有できていれば、その後の打ち合わせもスムーズに進みますし、建築の専門ではない一般のお施主さんとそれを共有するには、それなりに準備が必要です。

例えば、弊所では、それを伝えるためのツールとして図面・CG・模型の3つを使用しています。(今後技術の変化等で変わるかもでしれませんが。)

STGI(下竜尾町の家)を例に説明します。

図面

一番オーソドックスなのは図面です。
平面図に配慮した点などを列記したり、具体的な断面図を描いたり、外観や内観の分かるパースを入れたりと、その敷地にこういう建物を建てることでどんな生活が可能になるか、をできる限り分かりやすく伝えるように心がけています。

CG

今は検討段階から3Dモデルのデータを作り込み、そのモデルの中を歩き廻りながら案を詰めていく、という手法をとっているので、ある程度案が固まってくる頃には3Dデータが作り込まれている状態になっています

図面のパースもCGですが、その状態からパースやアニメーション、パノラマツアーなどさまざまなものを取り出す作業はそれほど大変ではなくなってきています。

ですので、それらを使って、実際にそこに立った時のイメージをできる限り分かりやすく伝えるように心がけています。

例えば、下記のページではパノラマツアーとして、特定の地点に立った時の360°画像を移動しながら確認できるようになっています。
STGI パノラマツアー
(スタートをクリックして下さい。青緑の丸をクリックすることで視点の移動が可能です。)

また、下記のページではモデルをぐりぐり動かしたり、すきなところで切断したり、VRゴーグルをつけて歩きまわったりできます。(使い方は省力しますが)
STGI VWモデル

模型

また、最初の段階で1/50スケールの大きめの模型をできるだけ作るようにしています。

模型はなんと言っても手にとって自由に見ることができるので、建物イメージを一番リアルに感じることができます

また、スキップフロアーなどの複雑な断面形状を採用することも多いので、全体の構成を掴むには俯瞰して眺めることができる模型が一番です。

場合によりますが、内部もある程度作り込むようにしているので、1/100ではなく、1/50スケールを採用することが多いです。


 


 
こんな感じで、ファーストプレゼン時点でその敷地での可能性がなるべく伝わるよう心がけています。




つくる楽しみをデザインする(3つのアプローチ)


3つの願いで書いた「つくる楽しみをデザインしたい」について、これまで何度か書いてきているのですが、今一度まとめてみたいと思います。

「住まうこと(つかうこと)」の中に「建てること(つくること)」を取り戻す

最初に『建築に内在する言葉』にある文章を少し長いですが引用してみます。

ボルノウにしてもハイデッガーにしても、あるいはバシュラールにしても、ある意味で<住むこと>と<建てること>の一致に人間であるための前提を見ているように思われる。しかし、前で述べたようにその一致は現代において喪失されている。だからこそ、まさにその<住むこと>の意味が問題にされる必要があるのだろう。だが、現代社会を構成する多くの人間にとって、この<住むこと>の意味はほとんど意識から遠ざかっているのではあるまいか。日常としての日々の生活を失っていると言っているのではなく、<建てること>を失った<住むこと>は、その<住むこと>のほんの部分だけしか持ちあわせることができなくなったのではないかということである。『建築に内在する言葉(坂本一成)』(強調はオノケン)

現代社会は分業化などによって、「建てること(つくること)」と「住まうこと(つかうこと)」が離れてしまっている状況だと言っていいかと思います。住宅の多くは商品として与えられるものになっていて、そこからは「建てること(つくること)」の多くは剥ぎ取られている

先の引用のように、今、住まうことの本質の一部しか生きられなくなっていると言えそうですが、どうすれば住まうことの中に建てることを取り戻すことができるのでしょうか

それには、3つのアプローチがあるように思います。

1.直接的に「つくること」を経験してもらう

一つは、お客さんを直接的に「つくること」に巻き込むことによって「つくること」を取り戻す方法があるかと思います。
これはそのまんまつくることを経験するので効果は高いと思いますし、つかう人がつくる技術を身につけることもできます。

2.職人さんの「つくる技術」によって「つくること」を届ける。

住まう人が直接つくることに関わらない限り、「つくること」を取り戻せないかと言うと、そうではないようにも思います。

たとえば今のつくる行為を考えてみると、その多くが工業化された商品を買いそれを配置するだけ、というものになってしまっています。
しかし、本来職人のつくるという行為は、つかう人のつくるという行為を代弁するようなもので、そこにこそ職人の存在する意義があったと思いますし、職人のつくるものが、つかう人に「つくること」を届けられていたと思うのです。

職人がつかう人の「手」の代わりを担っていたとも言えますが、今一度、職人の技術に光を当てることで、「つかうこと」の中に「つくること」を取り戻せるのでは、と思います。

3.設計によって「つくること」を埋め込む

もう一つは設計という行為に関わることです。

少し分かりづらいかもしれませんが、つくるという行為はただ手を動かすだけでなくて、どういうものを、どうやってつくるかを考える、ということもつくることの醍醐味です。
ですので、つくることをとことん考えながら設計すれば、設計したものにつくる醍醐味のようなものが埋め込まれることがあるのでは、と思うのです。

つくることにおいて、職人さんが「手」の代わりを担うとすると、設計者は「頭」の代わりを担うと言えそうです。

施主・施工・設計の三者が「つくること」と向き合う

この3つのアプローチは、それぞれ、建築に関わる施主・施工・設計の三者によるアプローチです。

施主・施工・設計のどれもが、つくる楽しみから遠ざかってきたと思うのですが、つくる楽しみを取り戻すには、施主・施工・設計がそれぞれが、あらためて「つくること」と向き合うことが大切です。

「つくる楽しみをデザインする」とは、施主・施工・設計それぞれが「つくること」どう向き合うかをデザインすることなのだと思います。

(ちなみにオノケンのロゴの三角形は施主・施工・設計の三者の関わり合いを表していたりします。)




何に対して報酬を頂くのか(設計監理料の話)

何に対して報酬を頂くのか

お施主さんに頂く報酬を、慣習に倣って設計監理料と読んでいますが、実際は何に対して報酬を頂いているのでしょうか。

設計図を描くのはもちろんのこと、土地や建築物に関わる規制や現況の調査、検査機関との折衝や確認申請などの各種申請、施工者との打ち合わせや指示書の作成など、関わる業務は多岐にわたります

独立する前はこれらの業務に対して報酬を頂いていると考えていたのですが、いざ独立して仕事を始めてみると、業務の種類が多すぎて、またDIYなどの設計外のことを考える時に、その考え方ではお施主さんに対しても自分に対してもうまく説明ができないと感じるようになりました。

目的はお客様の期待に応えて満足してもらうこと

当たり前ですが、お施主さんは何らかの期待を抱いて設計事務所の門をたたくのだと思います。お施主さんにとって建築士のさまざまな業務は2次的なもので、別に図面を書いてほしくて、又は、書類を代理で申請してほしくて設計事務所を訪れるわけではないと思うのです。

そんなことを考えているある時、設計監理料という名の報酬は、「お客様の期待に応えて満足してもらうこと」に対する報酬だ、と自分の中で定義してしまおう、と思い立ちました。そうすることでだいぶ気持ちがスッキリしたのを覚えています。

なので、模型を作ったり、CGを作成したり、近隣や監督さん・職人さんと良好な関係を作ろうと努めたり、日々の勉強や積み重ねも含めて、目的に必要なことであれば何でもやるべきだと考えるようになりました。

時には、余った材料やホームセンターで購入した材料で、簡単な棚やハシゴなどをつくったりもしますし、ペンキまみれになってDIYの補助をしたりすることもあります。それらは通常の設計監理の範疇ではないと思いますが、それが目的に必要なことであればやろうと思っています。
実際、〇〇万円の減額案を考えるために数日間、頭を悩ませるより、一日お施主さんと体を動かしたほうが目的に適した結果が得られることも多いのです。
 
 

※ ただし、これはあくまでも、自分の仕事と報酬の定義によるので、一般論として建築士がこうやるべきだ、というつもりは全くありません。また、お施主さんによっても必要なことは変わってくると思いますし、報酬の中でやれる範囲は自分の中で定めています。
※ 「お客様の期待に応えて満足してもらうこと」の裏には、3つの願いも含まれていたりするのですが、それはこちら側の問題なので、目的と報酬の考え方にはできるだけ持ち込まないようにしています。(と書きつつ、「3つの願い」タグを付けてますが・・・)
※ 「お客様の期待に応えて満足してもらう」ためには、実際にはお客様の期待を超えることが必要だと思いますし、そうできるように努力したいです。




DIYを採用する5つの理由

IMG_0588

自宅でペンキと珪藻土塗りを試してから、定番の珪藻土塗りや簡単な棚作りなどのDIYを採用することが多くなりました。
おそらく、住宅の6割以上で何かしらのDIYをしていると思います。

今回、なぜDIYを採用するのか、その理由を書いてみたいと思います。

1.コスト削減になる

DIYは、見積もりのあと予算調整のために採用することが多いです。

例えば、壁や天井の仕上げは石膏ボードにビニールクロスが断然安かったりするのですが、ビニールクロスは普段過ごす部屋の仕上げとしてはやっぱり物足りない気がします。(なんとなく住む人の気持ちを受け止めるような懐の深さがないというか。)

なので、予算の関係で仕上げの単価を下げる必要があるけど、メインの空間は安易にクロスに逃げたくないな、という時に珪藻土塗りなどのDIYを採用することが多いです。

あとは余った材料で簡単な棚をつくったりとか。

2.お施主さんの思い出とか愛着づくりになる

これはそのままですね。やっぱり、自分で手を動かすことでより愛着がわくことがあると思います。

3.自分でメンテナンスができるようになる

一度自分で経験しておくと、自分でメンテナンスができるようになることがあります。

なので、DIYで使う材料はなるべくホームセンターなど身近な場所で揃うものを使うことが多いです。

DIYに目覚めて、いろんなものを自作するようになったお施主さんもたくさんいます。新築の建物に自分で手を入れるのは怖い、という方も多いと思いますが、DIYの経験でその怖さがとれて、楽しさのスイッチが入るのかもしれません。
 それはとても素晴らしいことだと思います。

4.建物は人の手でつくられている、ということを理解できる

もう一つは、お施主さんに建築が単なる商品の寄せ集めではなくて一つ一つ人が作っているものだということを体験的に理解してもらうためでもあります。
 自分が直接体験することで、分かることがあると思うのです。また、お施主さんと職人さんの間の心理的距離が縮まり、現場に一体感が出ることもあるように思います。

また、住宅なんかは緊張感ばかりではなくある程度の緩さを許容するようなものであっていいのかな、と思いますが、お施主さんの好みにもよるので、その辺の加減を掴むのはなかなか難しいです。
 お施主さんに手づくりの感覚を掴んで頂くことで、その辺の緩さの感覚のすり合わせもしやすくなるように思います。

5.住まうことへつくることを届けたい

設計者としての理由は、そういういろいろなものをひっくるめて、住まうことにつくることを届けたいからです。
これは3つの願いでも書いたように、設計者としての願いのようなものです。

ただ、商品としての住宅を買うだけではなくて、つくることのよろこびも一緒に届けたいのです。
 
 
もし、デメリットを上げるとすれば、忙しい時に重なると自分の首を締めることになるということですね・・・




家づくりは生活の優先順位を決めていくこと(設計事務所に頼むと高くつくの?)

予算に合わせて考えるということ

「設計事務所に頼むと高くつくのでは。」という疑問を耳にすることがよくあります。
これに対しては、全く違うとも言えますし、その通り、とも言えます。

どういうことかと言うと、メーカーなどの商品住宅は、ある程度決まった仕様・グレードの中から予算にあったものを選ぶことになりますが、多くの設計事務所の場合では、特にこうしなければいけない、という縛りはありません。全てにおいて、限りないあらゆる選択肢の中から、予算に合わせた組み合わせを考えていく、という作業を積み重ねていくことになります。

ただ、初めて経験する家づくりで、無限とも思える組み合わせを決めていける方はほとんどいないと思います。
そこで、設計事務所がプロの視点と経験から先導しつつ、お客さんと一緒に組み合わせを考えていくことになります。(最近はお客さんも様々な情報を手軽に集めることができるようになったので、逆にそれまでなかった選択肢を教えていただくこともあります。)

とにかく安くすることだけを目的に組み合わせていけば、当然安く抑えることが出来ますし、逆に、どれもこれも高価なもので組み合わせていけば当然高くつきます。
設計事務所を訪ねてこられる方は何かしらこだわりのある方が多いので、結果として高くなる傾向があり、それが、「設計事務所に頼むと高くつく」というイメージに繋がっていることはあるかも知れませんが、基本的な姿勢としては、お客さんの予算に合わせて要望を叶えるための最適解を見つけていく、ということが設計という行為だと思っています。

家づくりは生活の優先順位を決めていくこと


いつもお客さんには、家づくりは、生活の中で自分が大切にしたいものは何か、を探しながらそれらの優先順位を見つけ決断していく作業だと説明しています。

限られた予算の中であらゆることを満たすことはできないので、必ずなにかしら優先順位を付けなければいけないのですが、それを楽しく、メリハリをつけてできれば家づくりの8割はうまくいったようなものです。

潤沢な予算があれば別ですが、ここで、優先順位を付けられず、全て同等に扱ってしまうと、予算内に抑えるためには結局はすべてにおいて求めている基準に満たない、といった魅力に乏しいものになってしまいます。

よく、動物園で人気の動物など自然界の形態を例に出すのですが、象やキリン、サイやカバ、どれも何か一つを突出させた特徴的な形をしています。それが多くの人に人気があるのは、そういう割り切りのようなものに生きていく力・躍動感のようなものを感じるからではないのかな、と思っているのですが、住宅も同様に、優先順位にメリハリを感じられるものは愛着の持てる魅力的なものになっているように思います。

割り切りが必須になりつつあること

職人不足や建築資材価格の上昇などにより建設費用はじわりとじわりと上がり続けています。また、決して悪いことではないですが、構造や断熱などもそれなりの性能にすることが普通になりつつあるので、基本性能を満たすための必要コストは以前にまして大きくなっています。
加えて消費税の増税などもあり、10年前にはできたことが今同じ価格ではなかなか実現しづらくなっています。

さらに、平均年収も下がりつつあることを考えると、10年前よりも、優先順位を明確につけてメリハリのある予算配分を考えることの必要性が大きくなってきていると思います。

事務所としては、比較的高年収のクライアントに絞り込めばそれほど問題にならないのかも知れませんが、やはり、いろいろな人に家づくりの楽しみを知ってもらいたいという気持ちを捨てることは難しいです。(ローコストばかりでは事務所の経営的には厳しくなるのですが・・・)

家づくりのコストには、構造や断熱などの基本性能、設備や仕上げ等のグレード、大きさや建物形状、その他様々な要素が絡んできます。その中で、例えば、断熱等の基本性能を満たすことを優先させるために、必要な部屋や面積、時には間取りの常識を問い直して、思いっきって小さな家にしてしまう、というような割り切りが必要になることは増えてくるように思います。
その時に、一見ネガティブな決断をその家の魅力へと転換するために、設計事務所の持ついろいろな引き出し・アイデアが必要になってくるのです。(と、同時に施主自信がそれを楽しむようなメンタリティも必要です。)

例:HTGH ~UA0182C027の家


実績ページ:HTGH ~UA0182C027の家
この家は当初、2階建てで計画していたのですが、ある日、お客さんから、高断熱・高気密の仕様(鹿児島ではなかなかないようなハイグレードな仕様)に変えたい、という連絡がありました。その際、今まで考えていた2階部分はそっくり取りやめにして1階部分の面積で構わない、と言われたのですが、とてもびっくりしました。

普通は、それまで見てきた計画案に未練が残り、何かを大きく減らす、という決断はなかなか出来ず、いろいろなところを少しづつ削っていくという選択になりがちです。
それはそれでやりようがあるかも知れませんが(現実的に無理なケースもありますが・・・)、このお客さんは、快適な熱環境を実現したい、ということの優先順位をはっきりと前に打ち出したため、それを実現できただけでなく他の部分に関しても無理のない予算を割くことが出来ました。

経験的には、コスト調整の過程でお客さんが様々な選択をしていくことになりますが、出来上がったものを見ると決して妥協の産物ではなく、はじめからその様に計画していたかのように思えることがほとんどです。コスト調整は、丁度よい塩梅を見えつけるための作業とも言えます。

土地と建物のバランスについて

また、土地から購入される場合、土地と建物の予算バランスも重要な要素になってきます。
土地と建物の総予算が3000万円で考えているのに、土地に2000万円かけてしまえば、建物にかけられる予算はかなり厳しいものになってしまいます。(実際、土地を購入後に相談に来られた方で、これに近いバランスのケースも少なくはないです。)

叶えたい生活によっても、土地と建物の予算バランスは変わってきますし、一見不利な条件の安い土地が建築的な工夫で魅力に変えられることもあるかも知れません。
可能であれば、土地を探している段階で相談に来られることをおすすめします。

例:MKGT ~南郡元の家


実績ページ:MKGT ~南郡元の家
この家のお客さんが相談に来られたとき、2つの敷地で迷われていました。
一つは14.3坪の土地で、もう一つは18坪の土地。後者の方の土地はいろいろな条件から前者の2倍以上の金額でした。(建ぺい率/容積率は60/200と60/160)
お客さんとしては前者のエリアのほうが馴染みがあるけれども、さすがに14.3坪は難しいだろうし、環境としては後者のほうが良いように思う、ということで悩まれていました。

総予算をお聞きして、試算してみたところ、後者では建物にかけられる金額がかなり厳しく、思い描くようなものを実現することは難しいように思われました。
そこで、なんとか建物の方を工夫すれば良いものにできると思うので、予算の上限を上げることが難しいのであれば、こちらを選んだ方が良いのでは、と小さい方の土地を推薦したところ、それを信じて頂いて、そちらで進めることになりました。

スキップフロアーを採用し、床下収納やロフトを組み合わせることで、妥協的ではないプランをまとめることができたのですが、結果的には、仕様的にもほとんど妥協せずに進めることが出来ました。お客さんにも満足して頂けたと思います。

そもそもの予算について

ところで、ここまで、家造りの総予算と言う言葉が何度もでてきていますが、そもそもの予算はどうやって決まっているのでしょうか。
今までは、総予算はお客さんの方で決めて頂いて、それをもとに計画をしてきましたが、本来であれば、将来のライフプランとファイナンスプランによる具体的な数字を算出し、それをもとに決定した方が、より適切な金額を採用できますし、何よりお客さん自信の不安が取り除かれより前向きに家づくりに取り組めるはずです。

その部分は、今までなかなかアプローチできなかった部分ですが、お金に関する諸々に対しても責任を持って提案・サポートできるような体制を近いうちに準備したいと思っています。