タヌキ 狐

折図出典:タヌキ『神谷哲史作品集2』神谷哲史
240×240 不切正方形一枚折り

折図出典:狐『小松英夫作品集』小松英夫
150×150 不切正方形一枚折り

リクエストのあったタヌキとちょうど対になりそうだった狐。タヌキはちょうどいいサイズと色の両面折り紙があった。

腰のあたりの立体感を出すラインはこれも子供の頃にハマった松田 博司の『紙工作ペーパークラフト入門』( http://amzn.to/1Bg8V0K )のラインが思い起こされてペーパークラフト寄りの作品と言えそう。

並べて違和感はないけれども、それぞれの作家の特徴が現れてるように思う。

神谷氏は写実的でバランスを崩さずに最後まで折るのはかなり大変だった。
小松氏は写実的だけどシンプルな折りで丁寧に折れば最後まで折れる感じ。

どちらに萌えるかというと僕的には後者。(どっちも好きだけど。)

小松英夫作品集の最後に別の作家が寄せた文で
「小松作品はその写生力の確かさも魅力の一つだ。写生力の高い創作者は実は少なくない。しかし、多くの人はその写生力を、大雑把な基本形を粘土的な技術で彫刻するようにして発揮する。(中略)しかし、小松さんは、自身の作品作りにおいて、現段階では、粘土度的な写生力を必要としないように心がけている。これは、折手にとっては再現性を非常に高く保証してくれるわけだが、一般に写実性を犠牲にすると考えられている。しかし、小松さんはこの点についても妥協することなく、諦めることなく緻密に再現性と写実性の両立を目指しているのだ」
とある。
”粘土的”の部分は前に書いた日本と海外の作家の違いのようなことにも重なるし、なるほど再現性と写実性のバランスに作家の個性があるのだなと分かる。そしてそれが小松氏に惹かれる理由だとも。(神谷氏は折り図を書くことを考えずに作品作りをすると書いていたので、再現性は考えずに写実性を求めている作家といえるだろう。)

なんてことを書いたけど、これが自分の仕事にどう結びつくだろうか。
 
なんてことは考えずにただただ折って行こうかと思います。