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YNGHウォークスルー

お施主さんのリクエストもあり、アニメーション作成の練習も兼ねてYNGHのウォークスルーアニメーションをつくってみました。
現場で検討中の3Dデータを使用してるので竣工時と多少違う点もありますが、割りと厳密に図面を反映しています。

スキップフロアの空間は伝えるのが難しいのですが、アニメーションでもやっぱり限界がありますね。




YNGH 外観写真他をアップしました。


外観写真他をアップしました。

説明的な写真ではなく小さな生活の断片とストーリーを、と思っていたら枚数が多くなってしまった。
(枚数を絞ろうかな、どうしようかな・・・)

実績のページからスライドショーをご覧になれます。




YNGH 内観写真をアップしました。


内観写真をアップしました。

実績のページからスライドショーをご覧になれます。




YNGHについて

吉野の家も検査済証が降り今週末にオープンハウスを開催できることになったので、この機会に設計しながら考えたこと、またはできてみて感じたことを書いてみようかと思います。
後で短くまとめるつもりでまずは思いつくままに書いてみます。

構成について

全体が90cm程度の段差で床をぐるぐると登っていく、螺旋状のスキップフロアーになっています。
一番最初の案はもう少しオーソドックスな2階建ての案だったのですが、打ち合わせを進めていくうちにスキップフロアーによる床のズレを利用した方がお客様の要望、動線や部屋と部屋の関係性の問題を上手く解決できることが分かってきて途中で大きく案を変更しました。

これによって様々な方向に視線がつながり、奥へ奥へと空間が緩やかに連続して行く、家全体があるひとつのまとまりをもつような場所が生まれたように思います。(通常の総2階建てでは部屋のつながりは横と横、又は吹き抜けを介して上下までしか取れないことが多く、関係性も単調なものになりがちですが、スキップフロアーだと横斜め上、横斜め下というように倍のつながりを生むことが可能)

また、中央に物見台と物干しを兼ねたトップライトスペースを設けることで、各部屋へとガラスを通して光が降り注ぐように考えています。
小屋組(屋根を支えるための骨組み)レベルでは極力壁を設けずにガラス張りとすることで、部屋と部屋との境を超えて屋根を見通せるようになり、これが「家全体があるひとつのまとまりをもつ」ことを強めています。

部屋を部屋として閉じた場所にしてしまうと、広がりとしてはその部屋の実質容積分しか感じられないことが多いですが、それではもったいないと常々感じています。(よく考えられた茶室のように、抽象化された小ささが逆に広がりを生むような場合もあります)
それに対して、つながりの中で「家全体があるひとつのまとまりをもつ」ことが、たとえ小さな家であっても、「視線が抜ける心地良い広がり」と「家というまとまりに包まれている安心感」を生む一つの解決策になると思います。

このあたりの、抜けと包まれ方のバランスのイメージはその家族によって違ってくるのですが、今回のお客様は3人の親子が小さな宝物のような家に優しく包まれているのがいいな、というのがスキップフロアー案ができた頃からイメージとして固まって来ました。

スケール感について

その「小さな宝物のような家に優しく包まれている」感じを出すために、空間のスケール感と素材が大きなテーマになりました。

空間のスケール感というのは、心地良いと感じる調度良い部屋の大きさというようなことです。
広すぎると気持ちがいいけど何か落ち着かない。狭すぎると、落ち着くけど何か圧迫感がある。その空間をどのように感じてもらいたいかで、どのような寸法を採用するかが決まってきます。

今回は幅1.5間(2730mm)を基準とした部屋がぐるっと廻るように構成されていますが、1.5間というとそれほど広いと言える寸法ではないです。
また、個室部分は2m程度の高さから屋根・天井がかかっていて、これも小屋裏部屋ではないですが、それほど高いと言える寸法ではないです。

そんな、ちょっと狭いかなというギリギリの寸法の中に視線の抜けや空間のつながりを持ち込むことで、家に手が届きそうな等身大の関係性の中で心地よさと安心感を感じられる場所になればと思いました。
これが、もう少し大きな寸法だと人と家との距離はほんのちょっと遠く感じるかも知れません。
(寸法を絞るというのはコストを絞るという意味もあるわけですが。)

また、その人と家の距離感を考える上でも素材の選択が大切だと思います。

素材について

床は桧の無垢材に蜜蝋ワックス(一部ウレタンクリアー)、壁・天井は桧構造用合板をそのまま使っています。
コスト的な問題と下地材(通常は仕上げとして表にでない材料)を仕上げに使う事の見え方の心配から、壁・天井をビニールクロスにしてしまおうかと結構悩んだのですが、結局最後は構造用合板にしました。(設計時は違う木質系の材料だったのですが震災の影響か粗雑なものしか手に入らなかったので現場で変更しました)

ものにはその素材の持つ奥行きのようなものがあると思うのですが、この家の人と家との距離感や広がり感を考えるとどうしてもビニールクロスは避けたかったのです。
ある程度の広さの空間であればビニールクロスでもいいこともあると思うのでうが、今回のように人と家の距離が近い場合には、ビニールクロスのような奥行きのない材料だと、家が他人行儀な感じになったり空間を限定して広がりを損なってしまうような気がします。
ビニールクロスのような工業製品は「もの」そのもの以上の奥行きを持たせることが不可能ではないにせよ難しいと思うのですが、今回壁に使ったような材料は節があったりとムラのあるものですが、それゆえに「もの」を超えた奥行きを持っているように思うのです。
また、ムラのある材料をどのように貼るかというのも大きくは大工さん個人の裁量によるので全てをコントロールできません。ですが、そのコントロールしきれない感じがまた奥行きを強くするように思います。

ぎりぎり僕の世代くらいまでは、普通にそういう奥行きを持ったものに囲まれた環境で育つことができたので、そういう世代の人に対してはどういう材料を使いなさい、とは思わないのですが、現代の生活環境の殆どは奥行きのないコントロールされきったもので囲まれていて、多くの子供達はその中でオトナになっていきます。
そんな中、せめてそこで育つ子供たちには、もっと奥行きのある材料に触れる機会を残してあげるのが大人の(もしくは僕の)一つの責任というか、役割のような気がしています。
床をウレタン等の塗装で塗り固めてしまった方がクレームも少なく簡単なのですが、ワックス程度でとめて木が本来持っている奥行き感を消さないようにしたのもそういう理由からです。

スケール感や素材感は人によって感じ方が違うし図面の段階で100%把握することは不可能なので、出来上がるまではどきどきしっぱなしでしたが、できてみれば上手くいったように思います。

設計の途中からテーマにあげていた、「手のひらにのる宝物に包まれたような家」というようにお客様が感じてくれたら嬉しいです。

ここまで読んでくれる人がどれくらいいるか分かりませんが、文字では分かりにくいと思いますのでオープンハウスに足を運んで頂けたら。
(近日中に内観写真をアップする予定です)




YNGH オープンハウスのお知らせ


お施主様のご好意により、2/11(土)12(日)の2日間、オープンハウスを開催させて頂けることになりました。

自分の手のひらにおさまるような、小さな宝物のような等身大の棲み家を目指しました。
コンパクトなスキップフロアーの楽しい家です。
是非この機会にご覧下さい。

※駐車場が限られていますので、出来る限りバス等でお越しください。(6-1番線 吉野線「松十文字」下車徒歩7分程度です)
車で来られる方は誘導しますので近くにつきましたら090-4510-6031までお電話下さい。
※お子様が走りまわったり部屋を汚したりしないよう十分にご注意下さい。
場所はこちらになります。




YNGH 1/5時点写真

職人さんが休みのうちにこっそり写真を撮って来ました。
Facebookpicasaの方に写真をあげたのでこちらの方にもスライドショーを貼っておきます。
これから設備他とDIY工事が入って2月中~末頃に引渡し予定。

たのしい家になりそうです。




YNGH 足場撤去

ようやく足場がはずれて外部の全体が見えるようになりました。
アプローチ部分は白く塗装する予定ですのでメリハリがつくと思います。

大工さんが苦労していた内部の壁・天井も終りが見えてきました。
来年は減額のためにDIY工事にまわした棚等をいろいろつくらないといけません。ということで、念願だった丸ノコとパイプカッターなんかの工具を購入!がんばりまっす




YNGH 内部下地


内部の壁・天井下地が進んで空間がだいぶ見えてきました。
2階個室レベルの2m弱の壁より上部はガラスでぐるっと視線が通るようになっていて、いろんなところからトップライトを通して空が見えるようになってるのですが、良い感じにまとまりを与えてくれそう。

ここまで、スケールやら素材やら視線の通りやら本当にイメージ通りになるか胃が痛くなりそうなくらいドキドキしてたのですが、やっと確信が持ててきました。油断は禁物ですがいい家になると思います。

完成が待ち遠しいなー。毎日でも現場通いたいなー。




YNGH 上棟式


天候にも恵まれ、子供たちもたくさん集まり、とてもいい上棟式でした。
これから仕上げ関連。気を引き締めて行きましょう。

(子供たちは別の餅まきからはしごしてきた様子。彼らの情報網、侮れません。)




YNGH 軸組建方


現在、軸組建方中。
今週雨が降ったので少し遅れがありましたが、人出の入る今日が晴れてくれて良かったです。
内部は複雑な構造のため、組んでいくのが大変だったようですが、軸組がすごく密実に見えました。
床がスキップしてるため地震力の流れには注意して筋交いを入れたのですが、筋交いと根太レスの合板で固めればかなり丈夫な構造になると思います。


内外のスケール感も今のところイメージしてた通りでほっとしてます。


各ポイントからも桜島がバッチリ見えそうです。

やっぱり現場はいいですねー。急速に形になっていくのを見るとワクワクしてきました。




YNGH 配筋検査


今朝雨の中、設計事務所と住宅瑕疵担保責任保険の検査機関の配筋検査を行いました。
大きな指摘事項もなく順調に進んでいます。予定していたコンクリート打設は雨のため明日以降に延期。
この段階ではもっと狭く感じるかと思っていましたが、思ってたより広く感じました。




YNGH 実施模型




少し時間ができたので1/100の実施模型を作成しました。

なぜこのタイミングで模型をつくるかというと

  • 全体のプロポーションや光の入り方の最終的なチェックのため。
  • 施主や施行者等関係者に全体像を正確に伝えると共に、テンションを少しでも上げてもらうため。
  • 募金プラスプランにご賛同いただいたお施主さんへのプレゼントとして。

    建物は最後は人がつくるものなのでテンション上げてもらうのは結構大事です。
    どのスケールでつくるか悩みましたが、手のひらサイズで眺めやすくて凝縮した感じにしたかったので1/100で製作。模型というよりもドールハウスをつくる感覚で作ってみました。写真には写ってませんが内部もそれなりにつくりこんであります。

    一度お施主さんにお渡しして眺めてもらってからは、現場に置いて職人さんたちに見てもらい、竣工の際にはお施主さんにさし上げようかと思っています。
    (現場で壊れないように簡単なケース作らねば・・・)


    フロアレベルが7つもあるので模型つくるのも結構大変でした。
    上棟すれば躯体がガイドになるからいいけど、プレカット屋さんは頭が痛いかもです。




YNGH 地鎮祭


確認も近々下りる予定。いよいよ工事が始まります。




YNGH 5th


まだ確定ではないですが、厳しかった予算調整も何とか方向が見えてきました。
いろいろと申請関係を同時並行で進めないといけないのでかなりぎりぎりのスケジュールですが、7月内着工を目指してスパートです。




YNGH 4th



図面もとりあえず一通り書いたので、確認のため内部パースを作成しながら何点か修正。
構成が複雑な分、出来る部分でローコストに配慮したけれどもさてどうなるか。




YNGH 3rd



パースでは分かりにくいですがプランと外観を再整理。
整理されていくほうが好ましいのか、自然と崩れていくのが好ましいのか。その辺のせめぎ合い中です。




YNGH 2nd


とりあえず一通り3Dで起こしてみた段階。ここからどこまで粘り強く検討を重ねるかが勝負。




YNGH 1st






YOSHINONGE.Hの第1案模型(1/50)
今、少し面積を増やした第2案を検討中です。
30坪程度の住宅で、ローコスト化をはかりながらどうすれば、空間の質を確保できるか。
高さ関係の寸法の見極めと素材の扱いがキーになりそうです。
最後はコストとの戦いになりそうな予感。




YNGHスタート。


HS-14 小さな廻る家をベースに計画中です。
1番最初は要望を素直に取り入れたありがちなプランをたたき台としてつくったのですが、やってみたらこちらの案のほうがいろいろな問題を同時に解決できました。
中央部を風と光を取り入れたり寝そべったり洗濯物を干したりと多機能なスペースにできないかと考えています。
いろいろなことを少しずつ調整していけばギュッと詰まった小さな気持ちの良い家ができそうです。

第1.5案の1/50模型はお施主様に貸出中にて、写真は後日アップ予定。