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W019『ゆうかり保育園+デイサービスセンター』


□所在地:鹿児島県鹿児島市
□設計:竹原義二/無有建築工房
□用途:保育園+ディサービスセンター
□竣工年:2007年
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竹原義二さん設計の保育園の見学会があるということで行って来ました。
デイケアの方は施工中でしたが保育園の中を一通り見せていただきました。

竹原さんのお話を伺っていると、どうも”混ぜる”というのがキーワードのようです。

園児と高齢者・・・異なる世代を混ぜる。
木・土・石・コンクリート・・・様々な素材を混ぜる。
暑い・寒い・心地よい・・・様々な温度環境を混ぜる。
様々な視線の抜けなどが用意されている・・・内外や部屋同士の関係を混ぜる。

といったように様々な工夫が見られます。

私たちの環境は、大人のエゴによって知らず知らずのうちに偏ったものとなってしまっていると思います。
それは子供たちが多様なものに触れながら逞しく育つために適した環境とは言えません。

建物内だけにとどまらず、街としても
遊ぶと住むを混ぜる。
働くと住むを混ぜる。
植物と建物を混ぜる。
昔と今を混ぜる。
大人も老人も子供も、人間も動物も、好きも嫌いも混ぜる。
・・・・
今までは”分離・排除”が良しとされてきたところがあると思います。
しかし、これからはいろんな”混ぜる”ということが大切になってくるのではないでしょうか。(出来れば車と歩くは分けたいですが)




立体性・廻遊性

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立体性

重力とどう向き合い、どう表現するかは建築においても重要なテーマとなる。、人間の知覚などの多くも重力によって支配されている。

それゆえ、縦の変化はより強く感じるように思うが、現在、「間取り」「坪単価」という言葉が強い力を持つように、平面的な思考が支配的で立体的な空間把握は忘れられがちになってるように思う。

しかし、立体的な工夫でイメージを拡げられることは多い。
チラリズムも役に立つ。

物理的にも概念的にも立体性をもたせることで奥行きが生まれイメージが拡がる。

平面的な構成の先にも大きな可能性を感じているのだが。

廻遊性

行き止まりはそこでイメージを分断してしまう事が多い(逆に存在感のある壁などで意識を受け止め想像力を引き出すということもあるが)。

そういった、イメージの分断を避け、開放するには廻遊性をもたせることは有効である。

建物の内部外部を問わず、ぐるっと廻れるようにすることで、イメージは急に途切れることなく緩やかに円環をつくる。

その円環からもれでるようにさまざまな場所に想像力を引き出す仕掛けを用意することで、イメージはさらに広がりや面白みを増すのである。

そうして拡がったイメージの中を自己は自由に飛び廻る。

選択の自由

今の世の中を行きていくには、多様性や自由と向き合うことは避けがたい。

それは複数の道を突きつけられるということだ。

複数の道があると言うことは選択できるということで、それは可能性であり、自由であり、責任である。

建物の中を歩き回るにしても、ルートなどのさまざまな選択ができることは自由なイメージの拡がりを生む。

そのようにして、さまざまな可能性を感じられる楽しげなものをつくってみたい。