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『ウィンドウ・ショッピング』の世界展

先日サツマッティ展が終了したRAIRAIで『ウィンドウ・ショッピング』の世界展があるそうですが、なかなか興味深そうな本です。(サツマッティには僕も12日に行ってきました。Tシャツはオンラインで注文できるようになるようです。多分)



ベンヤミンのパサージュ論は建築の本でもちょくちょくでてきてたのですが、残念ながらあまりまじめに勉強してないのでニュアンスが少し分かる程度ですが、パサージュをはじめとした「移動性をもった仮想の視線」をめぐる視覚文化史をポストモダンの視座から読み解く、という内容のようです。
目次をみると建築にも触れられていて俯瞰的に建築を捉えたり、今の鹿児島を考えるヒントもありそう。

訳者の井原さんのサイトを見てみると
Keiichiro Ihara’s Home Page-エッセイ-井原慶一郎-

シミュラークル(現実感の希薄なイメージ)に取り囲まれて、私たちは何が現実かをほとんど見失いかけています。だからこそ、われわれは、もう一度、ポストモダニズムが放棄した現実の再現representationの問題について考える必要があるのです。

とあり、僕自身の問題意識に関係がありそうですし、「移動性をもった仮想の視線」と「現実の再現」の関係にも興味が湧きます。

井原さんと大寺さんのコラボレーションにも大いに興味がありますし、これは読むべきかも(3675円かぁ、専門書だからなぁ・・・)

ところで、先のエッセイを読んで少し考えたのですが、建築はどうしてもリアルなものと立ち現われてしまうものです。
ですが、逆説的にというか、だからこそと言うか、かえってそれがリアリティを失わせてしまっているということがあるような気がしました。
情報のノイズやイメージの渦に埋もれてしまうことを避けるための”一つの手段”として、抽象化なりなんなり、アートやデザインといったフィルターを通すことの重要性が増しているのかもしれません。




サツマティック展 鹿児島

satumatic

加治屋町のRAIRAIでサツマティック展のオープニングがあったので行ってきました。

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たくさんの人が来ていて大盛況でした。
オリジナル焼酎もゲットしようと思っていたのですが焼酎の販売はアミュの地下1階「焼酎維新館」もしくは田苑酒造のみだそうです。

いろいろと感じるところがあり、自分も頑張ろう!という気になれました。(今の自分と比較して軽く凹んだというのも無きにしも非ず :あー: 。)

ということで、スタディの方に力を入れようと思います。
時間は限られているので、しばらくは

  • 何かひらめいてもサイトのテンプレートをいじらない。(いじりだすと時間がすぐにたってしまいます。いくつか試したいのはあるのですが)
  • 今読んでいる1冊を書いたらしばらくBOOKSは休業する。(とりあえずぼんやりとアイデアがある4案をかたちにするまでは我慢します)

と決めて、ブログにかける時間をスタディに割り振ろうかと思っています。(たねを集めるのは気が向いた時に続けますが、ペースをつかむまでは更新がさらに経ると思います)

サツマティック展は4月20日まであるようなので機会のある方は是非!
(3月30日はギャラリートークもあるようです。)
[gmaps:31.586343067505656/130.54669618606567/17/460/300]RAIRAI[/gmaps]




サツマティック報告会

に誘って頂いたので行ってきました。(ってM氏から誘いのメッセージが来たのは今朝。なんでそんなに急やねん!)

場所はM氏プロデュースのハワイアンなカフェ&レストラン『プルメリア』

[gmaps:31.59211440620821/130.5598685145378/17/460/300]Cafe de Plumeria[/gmaps]

ここのロコモコはほんとうまかったっす。(カレーもお勧めだそう)

それはそうと、いろいろな方がいて楽しい時間を過ごせました。

クリエイター系の人がほとんどだったのですが、皆さんいい仕事されてるのに腰が低くていい人ばかり。

近くに座ってお話させていただいたのは、ここでも何度か取り上げた『Region』を企画している渕上印刷の若松さん、写真家の川越さん、デザイナーの江夏さん

話しているうちに、住まうということの本質だとかリアリティだとかの話になって結構自分の気持ちに気付かされました。うーん、面白いなぁ。

地方ならではの独特のリアリティのあり方っていうのに可能性がある気がする。

楽しみにしてたNY展の映像はあまりじっくり見れなかったけど楽しかったからまぁいいか。(そのうちまた見せてもらおう)

ほんと 関係者でもないのに誘ってくれたM氏に感謝です。またよろしく!(乱文失礼)

(NY展に出展された方々と是非ゆっくり話したい、と思ってたのですが声をかけきれなかった相変わらずのヘタレです・・・。)




Satsumatic × Architecture

金曜日、ひさしぶりに友人と会って話をした。

この友人と合うと何かしら発見があったり問題がクリアになったりして、いつもいい刺激をもらう。

先日行われたの「サツマティック」というNY展の仕掛け人でもあるのだけど、話をしているうちに「Satsumatic」というのは自分にとっても結構重要なキーワードだと気がついた。

3月にあった「鹿児島のかたち・地域のかたち」というシンポジウムで見つかりかけた気がしたパズルのピースがこのキーワードでクリアになった気がする。

「Satsumatic」の意味するものそのものに目新しさがあるわけでもないのだけど、それを言葉にし発することで浮かび上がってくる何かがあるように思うし、『リアリティ』と『生活そのもの』を手元に引き寄せるためのテーマとなりうるのではないか、という気がしている。

だからといって具体的なイメージをもっているのではないんだけど・・・。

具体的な何か、とうより、長い時間を掛けて考えているうちに自分の中から 「Satsumatic」な何かが自然と立ち上がるようになればいい。(ああ、やっぱり自分でも考えていたことだ。やつは自分の事ばっかりしゃべっているようで、実はコーチング的なスキルがあるんじゃないか。)

先は随分と長い気もするけど(具体的なものと向き合いながら)じっくりやっていこう。




サツマティック

先日、新聞やニュースでも取り上げられたので知ってる方も多いと思いますが、鹿児島を本拠地にして全国で活躍する3人のアーティスト(ohtematicさん、chinatsuさん、たけいしょういちろうさん)がNYで「サツマティック」という展覧会を行います。

ちょうど今オープニングレセプションで焼酎飲んでるころでしょうか。

企画したブレストの丸野は高校からの付き合いなのですが、(最近全然会ってません。連絡もなかなかつかないっす。)ずっと前からこういう発想をもっていて話をきいていましたが、着実にそれを実現していっている、という感じです。

単なる空想ではなく「田苑酒造」をスポンサーにつけてくるあたりが流石。

ローカルゆえに持てる強みというのをどう活かして勝負するのか。

その一つのヒントになると思います。

また、ここには3つの目線があると思います。

(A)ローカルな内向きの目線

(B)ローカルをしっかり見ることによって生まれる、外(世界)への目線

(C)外(世界)に目線を向けることによって生まれる外(世界)からローカルをみる目線

それによってさらに(A)の目線が磨かれる。

この3つの目線がぐるぐるとスパイラル状に登っていくイメージが浮かびますが、そのベースとなるスタート地点にはやはり(A)の目線の追求が不可欠な気がします。

(実際は外ばかり見ているか、内側しか見ていないかのどちらかが多いように思いますが)




W029 『魅惑の長田町をあるく』

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予定が合わなかったり雨で中止になったりとなかなか参加できてなかったのですが、久しぶりにかごしま探検の会のウォークラリーに参加しました。

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今回は県民交流センターからスタートし近くにありながらなかなか足を伸ばすことのなかった長田町を散策。

1. 横山安武森有礼生育の地。

横山安武は役人の腐敗を憂いて集議院に十条の意見書を掲げ切腹をした人だそう。いつのときも役人の腐敗はあるものだ。今はこういう気概のある人はいるのだろうか。

2-4. 椋鳩十邸宅跡・椋鳩十の部屋から見えていたであろう桜島。

東川さんにつづいて”みたけさん”からも解説がありました。(僕は存じ上げていなかったのですが、NPO法人かごしま文化研究所の三嶽公子さんだったのでしょうか?)

椋鳩十は1947年に市立図書館の館長になったそう(このころ作家が館長になるのが流行ったそうです。)

このころは全国でも鹿児島・宮崎は最も図書館に対する予算が豊富な県だったそうで、椋鳩十の働きも大きかったよう。(戦後の生活に図書を通じて潤いを与えたいという思いが強かったそうです。)

5-11. 長田神社

もともとは福ヶ迫諏訪神社という名だったそうだけど、明治時代に神戸の長田町にある神社と同じ祭神 ということで長田神社と改名されたそう。つまりこの長田町という名の由来は神戸から来てるそう。へぇ~。

12-15. 興国寺墓地

染河彦兵衛、徳田太兵衛伊地知季安、汾陽理心の墓などをまわる。他にもいろいろ見所があるそうだけどタイムオーバー。

年配の参加者が多いのですが、かなり坂の多いコースをなんとか歩ききっていました。いつも思うのですがこういう年配方が歩きながら話しているのをこっそり聞いてると、生活に根付いた面白い話がいろいろ聞けて感心してしまいます。

なぜ参加するか。

僕は学生のころは完全に理系だったのでかなりの歴史音痴です。
なのでイベントの面白さの100分の1ぐらいしか伝えられていないと思います。
マティックさんの御友人の日記のように書ければどんなにいいだろうか、と思いますが急には無理ですね。もっと含蓄のある方が聞けばもっともっと楽しめると思うと少し残念でもあります。

では、歴史の苦手な僕がなんで参加しているか。

それは、講師の東川さんの魅力というのもありますが、僕自身、いずれは地域性や歴史性といったものを感覚として身体化したいと思っているからです。

今の建築、特に家づくりというものを考えた場合、地域性や歴史性といったものを切り捨てることによって成立している部分というのが多分にあると思います。
そういうものを建築に取り入れるのはかなり困難なシステムになってきてしまっているし、僕も含め今の人達はそういう切り捨てたものを扱うのが苦手になってしまっていると思います。

実際、そういうことを考えず全国的に流通している工業製品だけで建物を作るのが一番楽で、机上だけでかなりの部分ができてしまいます。
しかし、地域性や歴史性というものを扱おうとしても、机上でいきなりできるものではありません。
おそらく自分の感覚として身体化していなければうまくは扱えないと思います。

そのために、2年や3年と言うスパンではなくて長い目で見て少しずつ、少しずつ、そういうものが身体化されればいいなぁと思って無理をしない範囲で参加させていただいているのです。

(イベント、イベントがその都度一回性の ものですので、毎回参加しないともったいないという思いもあります。

ただ、続けていくことが肝心だと思うので無理をしない範囲で、ということにしています。)

その後

そのあと、フリーペーパーのunder’s highを発行されているチャビンさんの店に寄らせていただきました。
地味な格好だったので店に入るのはかなり勇気が要りましたが、思っていたとおり気さくな方でした。ほっ。(あと、チャビンさんのブログにあるライブ映像に写っているサモアの怪人というゲストが友人のM野氏に似ていたので気になっていたのですがどうやら別人だったようです。ちなみに、 サモアの怪人マーク・ハントがK1で優勝したときはあまりにM野氏に似ていたので人ごとの気がしませんでした。)
応援していますので under’s high頑張ってください。(僕もいずれ広告を載せたいなぁ)

[gmaps:31.60586958769126/130.55353045463562/17/460/300]興国寺墓地[/gmaps]




鹿児島のかたち・地域のかたち

鹿児島、生活地域建築塾主催のシンポジウムがあったので行って来ました。

JIAの案内を見て知ったのですが講師はなんと象設計集団の富田玲子さん、U研出身の齊藤祐子さん(僕はU研と象とがごっちゃになっていましたが・・・)、そして進行が一つ前の記事で加世田で活動されていると書いた菊野憲一郎さんでした。びっくり。
また鹿児島サイドからは創建築計画研究所の溝口さん、かごしま探検の会の東川隆太郎さんが講演を行ったのですが、この東川さんという方が鹿児島のプロともよべる人で話がとてもおもしろく、そして熱い思いをもっていらっしゃる方でした。

東川さんは建築が専門ではないのですが、建築を含めた環境に対する視点や思いは設計者が反省を込めて見習わなければいけない、と強く感じました。

僕自身、地域性に対するある種の憧れは持っていても正直どうアプローチすればよいか、ピンとくる感覚を持てなかったのですが今日の話で何かヒントが得られたような気がします。

スライドでも笠原小学校などが紹介されましたが、吉阪隆正氏や象設計集団の建物、それから小松義夫さんの写真などをみると、自然と楽しくなってきますし、生命の力が湧いてくるような感じさえ受けます。
”これが建築なのだ”と思えます。
多くの人はこの楽しさを忘れてしまっているのではないでしょうか。
忘れているのならまだよいのですが、僕はこの楽しさを知らないというまま子供が育ち、それが世間の大半を占めてしまうということが非常に怖いのです。
現にそれはかなり現実のものになりつつあるように思います。

それをくいとめるには”楽しい、気持ちよい”こと、東川さんの言葉だと”なつかしい”と感じられること、これっていいでしょ、ってことをあきらめずに言い続ける以外にないのかもしれません。

今日の話は一般の人を含めたもっと沢山のひとに是非とも聞いてもらいたかったです。
みながこの”楽しさ・気持ちよさ”を知ったら街はずっといいものになるのにな。

懇親会では(最初お腹がすき過ぎて言葉が出なかったのですが)、齊藤さんや東川さんと楽しく話させて頂いてとても実りの多い時間でした。