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W036『北九州市立中央図書館』


□所在地:福岡県北九州市小倉北区城内4-1
□設計:磯崎新/磯崎新アトリエ
□用途:図書館
□竣工年:1974年

不覚にも休館日に訪れてしまったので内部は見れませんでしたが外観だけでも観がいがありました。

単純な要素による控えめな多様性

「単純なシステム」≠「単純な空間」この建築は奥が深い。断面はどこも∩こんな形のはずなのに、どこから見ても見え方が違う(『昭和モダン建築巡礼』より)

と書かれているようにぐるっと建物の周りを廻ってみると見る角度によって見え方が変ってきますし、2匹の蛇のようなプランは手前のボリュームと奥のボリュームの2つの奥行きを生み出して見え方に深みを与えています。

訪れる前はもっと大味で存在感の強い建物かと思っていたのですが、この奥行き感・多様性が佇まいに親しみを与えてまちの風景を形成しているように感じました。年月を経ているのもあるでしょうが。

単純な要素による多様性というのは自然界にも多く見られる特徴だと思いますが、それに親しみを感じるのだとすれば『単純な要素による多様な形態』の様々なあり方をスタディしてみるのもいいかもしれません。
また、その多様性が控えめに存在しているのがより高度に思えます。

あまり磯崎新の建築に興味を持ったことがなかったのですが、実際に訪れてみるとさすがだと思いました。いずれ内部も観てみたいです。


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