B221 『家づくりのつぼノート』

西久保 毅人 (著), ニコ設計室 (著)
エクスナレッジ (2019/8/3)

建物探訪でぐっときたお二方

『渡辺篤史の建もの探訪』は気が向いた時に時々見るくらいなんだけど、見ながら「ぐっとくるなー。めっちゃ上手いなー。」と思って初めて興味を持った方が二人います。

一人はタトアーキテクツ(島田陽)で、もう一人がニコ設計室。

当時から有名だったのか、まだ無名の頃だったのかは分からないけど、その時初めて知って、すぐにファンになりました。
そのニコ設計室が本を出したと知って急いで買いました。

豊かさとおおらかさと自分の原点

一つひとつの言葉がすごく共感できて、自分の目指すところを言葉と形にして見せてくれたような感じがします。
例えば、学生の時に考えていた敷地の捉え方をはじめ、デザインのたねとして考えていたようなことが、具体性をもって表現されていて、とても豊かなものがそこにあるように感じましたし、『施主力8割』のところなんかそのまんま自分の言葉じゃないかと思えるくらいでした。

そのワクワクする、ため息が出るような豊かさ、人間臭さはどこか象設計集団に感じるものに似てると思ったら。略歴のところに象設計集団の文字が。
やっぱりなー。

さて、その豊かさの根っこにはある種のおおらかさが見て取れます。
それは、プランにも如実に現れてるし、街とのつながりかたにも現れています。おおらかであることによって初めて獲得できるような、どこか懐かしい豊かさ。

さらに、そのおおらかさのもとには子どもたちに対する愛情や責任が、もっといえば、著者自身が子どもの頃のわくわくする気持ちを保ち続けていることがあるように思いました。(それは決して簡単なことではないと思います。)

自分はどういうものをつくっていくべきか。それは設計者の永遠のテーマとも言えますが、その原点を思い出させてくれたように思います。

自分も初心に帰って、もっともっとおおらかに、もっともっとワクワクしながら設計を続けられたらなー
 
 

追記(twitterより)

言葉遊びではない、生活の延長としての街への開き方が豊かな印象を与えているように感じたけれども、案外東京の密集した地域だからこそ、というのはあるかもしれない。

道路があまりにも車の交通としての色合いが強いとこういう開き方も難しい、というか開くというのが言葉だけになりがち。例えば裏路地のように道路自体がおおらかさを持っていることが大切なような気がする。

もともと道路自体がおおらかさをもっていればいいけど、そうでない時はどうするか。目の前の道路に新しいおおらかさを見出したり、生み出したりするような見立てる力、顕在化させる力が求められる気がする。

一つ前に書いたマイパブリックの話も、おおらかさを顕在化するための手法なのかもしれないなー。そこに懐かしさのようなものを感じてほっとするのかも。ほっとしたい。

後は、そのおおらかさを実現するためにはある程度予算的なおおらかさも求められる。予算の話はきりがないのでそれを与えられた条件の中でどうやってクリアするか。




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