B217 『子育てしながら建築を仕事にする』

成瀬 友梨 (著, 編集)他
学芸出版社 (2018/2/1)

想像してたのと違った

↑良い意味で。

昨年の2月の出版当初から存在は知っていたけれども、時期が来るまでは、と読むのを控えていた本。
正直、いろんな人が家事も仕事もバリバリこなしている様子を見せられて、打ちのめされるのが怖かったのだ。

だけれども、図書館に返却に行った際にふと目に入って、気の迷いで借りて読んでしまった。

感想を先に言うと、読んでだいぶ気持ちが楽になったし、読んで良かった。

体験談を寄せている方々の実績等を考えるとびっくりするけれども、そこに書かれていたのはこちらがへこんでしまうような”家事も仕事もバリバリこなしている様子”ではなくて、自分たちと同じように悪戦苦闘しながら家事と仕事をなんとかかんとかやりくりしている姿だった。

それは、一日24時間の限られた時間を仕事と子育てが同じように分け合っているような両立の仕方で、想像していた「深夜残業・徹夜・土日出勤は当たり前、寝ても覚めても仕事・建築のことを考えている、という働き方の延長線上の、仕事メインで子育ても卒なくこなす。」というのとは明らかに異なるものだった。

実際、子育ても仕事もどこまでいけば両立成功なのか、答えはないと思う。復帰当初はどちらも100%できないことを悩んだ時期もあった。(中略)だけど、ある時、子育てと仕事を足して100%になればいいんだと思うようになった。(p.34 萬玉直子)

最近はなんとかこういう心境に近づきつつも、時には、24時間全部仕事に注ぎ込めたら、というように、他人や別にあり得た自分と比べてしまうこともなくはなかった。
だけども、あの仕事をやっているこの人も、実はこれだけの時間を子育てに当てている中でやってるんだ。と思うと気持ちがすっと楽になったし、仕事にも子育てにももっと素直に向き合えるような気がした。(当然、その人だって他人や別にあり得た自分が存在しているのだ。。)

私の『子育てしながら~』

自分は子育てと仕事にどんな感じで向き合ってきたか。誰かの参考になれば、というより、個人的な記録の意味も兼ねて、私の『子育てしながら~』を書いておきたい。

今、うちにはこの春に中1になった長男と小4になった次男、そしてもうすぐ2歳になる三男がいる。(全員男( ゚д゚ ))

長男と次男が小さい頃は、会社努めをしていたこともあって、子どもが生まれてからも普通のサラリーマンのように過ごしていた。子育ての殆どは妻に頼っていたように思う。
それでも、3人共夜泣きがひどく、一晩中、ずっと交代で抱っこしてゆすり続けたりして、それなりに大変だった記憶がある。
仕事が忙しい時期は徹夜の合間に、数時間、寝かしつけのために戻る、みたいなことも何度かあったけれども、やっぱり妻に頼っていた部分が大きくて、帰宅した時は妻も疲労困憊していた。
(実際のところ、この頃は、一日中一人で小さい子どもと向き合うのがどれくらい大変なのか、をあまり想像できてなかったと思う。)

そして、三男。
妻が不動産屋を開業した後で、かつ高齢出産ということがあったり、自分が独立して時間の融通がきく、ということもあったりして、三男はできるだけ子育てに参加しようとしている。

妻も忙しかったり体力的にきつくなってるので、出産後1ヶ月間(産褥期)は、仕事をしながら家事のかなりの部分を受け持って妻の回復を待った。保育園に入園するまでの1年ほどは、昼は現場に出る時も連れて行って、ベビーカーに乗せながら現場確認をしたり、夜はバウンサーにのせて足でゆすりながらCADで図面を書いたりしていた。三男も夜泣きがひどかった上、前面道路の夜間工事が重なったりして、この一年はすごく長く感じた。(仕事の忙しい時期とも重なって最初の3ヶ月で10kg弱やせた。今考えるとどうやって仕事まわしてたのかわからないし、自営かつ自宅兼事務所でなければたぶん無理だったと思う。)

今は保育園のおかげで少し落ち着いてきた。

今の一日の流れは、小学校も中学校も自宅(兼事務所)から遠いため、6時半に起床し、朝食を家族で食べて7時頃に長男と次男が登校。それから布団を上げて、洗濯物をたたみ、朝ドラを見ながら三男の相手をして、9時前に妻が保育園に連れて行ったあと仕事を開始。
現場等で遅くならないかぎり17時に保育園にお迎えに行って、それから妻が調理してる間、子どもの相手をして、食事をしてから三男をお風呂に入れ、21時過ぎに寝るまで子どもの相手。
妻が寝かしつけてくれている間の21時過ぎから24時~1時くらいまでが夜の部という感じ。(夜の部は、できるだけ建築の勉強や読書、ブログを書いたり、考えたり、に使いたいけれども、忙しいと仕事せざるを得ない)

仕事は昼の部は昼食時間込みで8時間ほど、夜の部が確保できれば3時間ほど。
睡眠時間は夜の部確保したら6時間前後で、それ以外の時間(仕事のみだったら食事以外は仕事してるであろう時間)は6.5時間ほど。

100%を分け合っていくような生き方

イメージとしては建築を仕事にしている人にしては、仕事時間がそれなりに制限された状況だと思っていた。けれども、この本をみると同じような状況もしくはもっと制限された状況で、それでも前向きに仕事も育児もしながら活躍している、という方が多かったので、かなり励まされたし、仕事と子育て・その他で時間を分け合うのが当たり前のような生き方も目指せるんだな、と気付かされた。(この本では、具合的な一日の時間の使い方が多数紹介されているので、生活がイメージしやすかった。)

夜の部ははじめはなかなかとれなかったけれども、少しづつ確保できるようになってきた。しばらくすれば、それ以外の時間も少しづつ自由に(折り紙したり、読書したり、子どもの勉強見たり)なってくるんじゃないだろうか。
ただ、今は気持ちと時間に余裕がなくて、長男と次男とじっくり向き合えていないのが心配。
たまに、長男と二人、もしくは次男と二人(もしくは三人で)夜、散歩してみたりするんだけど、この時が今、一番ゆっくり向き合えてるかも知れないので大事にしたい。

若い頃は自分の100%をどこか一点に使い切りたい、と思っていたけれども、何かと比べることなく、自分の中の100%をいろいろ分け合って生きていけばそれでいいんだ、という生き方も全然ありだと思った。
もしかしたら、そう割り切ってしまった方が分け合ったそれぞれの密度も高くなって、総量としては150%とか200%とかそれ以上になったりするんじゃないか、という気もするし、そういういろいろ分け合っていくような生き方がどんどん当たり前になっていくんだろうな。

働き方改革じゃないけど、仕事も子育ても、仕事一辺倒の時代からどんどん意識が変わってきてるんだなぁ。仕事一辺倒の時代って要するにお母さんと子どもの時間を使って仕事だけしてなさい、というような時代だったのかもしれない。
ただ、こういう生き方をするのが良くてそうでないのは悪い、みたいになってはつまらない。いろんな生き方の幅が認められていけばいいと思うし、それを感じられる本でした。




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