W033『世界平和記念聖堂』


□所在地:広島県広島市中区幟町4-42
□設計:村野藤吾+近藤正志/村野・森建築事務所
□用途:聖堂
□竣工年:1954年

建築マップ 広島県 世界平和記念聖堂

”反コルビュジェ”的手法で表現された祈りの空間。 丹下のピースセンターと並び称されるべき、表現派の傑作だ。

この聖堂はコンペを行ったものの最終的に審査員の一人であった村野藤吾が設計をおこなったそうですが、その経緯も上記サイトに詳しく書かれています。

ここを訪れる前に詳しく知っていたわけではなく、傑作といわれるものを一度見てみよう、というぐらいの感じで立ち寄ったのですが、この建物に近づき外観があらわになるにつれ、これはやっぱりすごいとテンションがあがってしまいました。

建築にかける思い

なにが、そんなにすごかったかというと、それはやっぱり村野藤吾の建築にかける思いがそのまま建築になっていることです。

『建築はその設計者の姿をしているのが一番いい建築。』と内井 昭蔵が書いてますが、まさに設計者の姿をしている建築と呼んでいいような気がしました。

ええっと思うようなところまで現場打ちのコンクリートで作られていますし、手すりなどのディテールは勿論のこと、壁の表情・レンガの一つ一つにまで設計者や施工者の思いが詰め込まれているのを全身で感じます。
ただ部分をみてすごい、というのではなくて、うまく説明が出来ないけれども『全身で』思いを感じるのです。

こういうのはその場に立ってみないと本当に感じることは出来ないし、傑作と言われるものはその建築を生で体験して初めて本当に傑作であることが分かるんだなと改めて思いました。

ごくまれに感じることがありますが、この建築も奇跡のような建築だと思います。

突然訪問したにも関わらず、教会の方に、パイプオルガンや地下聖堂、鐘楼内部と普段入れないところまで案内していただきました。(ちょうど同じ時間に福岡からも見学に来られた人がいたので一緒にまわらせてもらいました。)

村野さんのこだわりや当時の話、いろいろな場所にこめられた意味などを詳しく教えてくださって、ほんと想定外の大収穫でした。
想定外でしたしあまりに親切に話をしてくださったので、ボイスレコーダーかせめてメモ帳を持っていくんだったと、ちょっともったいなく思いましたが。


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