W031『広島市西消防署』


□所在地:広島市西区都町43-10
□設計:山本理顕設計工場
□用途:消防署
□竣工年:2000年

市民への開放をテーマにした消防署。

受付で見学を申し込むとすんなりOK。
開放ゾーンと非開放ゾーンがきっちり分けられているので自由にどうぞという感じでした。
開放ゾーンはガラスのルーバーで囲まれているだけでほとんどが半外部空間。

動線が絡み合い、見学者(市民)と職員の互いの様子を感じることが出来るというものですが、あいにくこの日は訓練風景を見ることはできませんでした。

開放は必要か

この建築によって議論が起こるのは、何かしらの機能性やコストを犠牲にしてまで市民への開放が必要かということ。

消防活動に必要な最低限の機能を押し込んだ箱でいいじゃないか、と。

単純な空間のヴォリュームで言えば単純に消防署の機能のみを押し込めば現状の4割以下で済みそうな気がします。

ただ、それ以上は無駄なコストじゃないかという感じ方そのものがある見方が染み込んでしまっている結果のような気もしました。

もし、こういう(物質的にではなく機能的に)透明性の高い建築が街にあふれているのがデフォルトで当たり前の光景だったとすれば、今の普通の閉鎖的な建物はもしかしたらすごく貧しく異様に見えるかもしれません。(それがアヴァンギャルドになってる可能性もありますが)

おそらく設計者は一つの建物だけじゃなくてそういう仮想の当たり前の光景を見ているに違いありません。

この建物も一部、音楽などの文化活動などにスペースを開放しているようでしたが、何も一つの建物が消防のための機能で完結していなければならないということはないはずですし、道路と建物内が心理的に完全に分けられている街よりも、街を歩いていてもいろいろな人の息遣いが聞こえる街の方が楽しいに違いありません。


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コメント:1

    匿名's Gravatar 匿名 09-01-10 (土) 21:18

    これほどに仕事がしにくい庁舎はない、職業柄個人情報を扱うが、どこにあるか丸見えである。
    女性が入りにくい、スカートを履いて入れない、男性も行動しにくい、なぜ、デザインのみを重視し、これほど使いにくい建物を通常の4倍という高額の税金で建設したのか。
    設計者や建築業者は、完成したら関与しないですむが、職員は職場恐怖症になってしまいます。

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