B108 『間取りがよい小住宅を作りたい―小さな家のアイディア集』

間取りがよい小住宅を作りたい―小さな家のアイディア集 (2004/02)
世界文化社


ちょっと一般向けの本でも読んでみようと別冊家庭画報の本著を図書館で借りてみた。
そんなには期待していなかったのだけど、どっこいなかなか良くまとまった良書だった。

住宅作家による小住宅の紹介・解説だけでなく、吉村順三、東孝光、清家清、増沢洵、菊竹清訓、篠原一男、安藤忠雄、丹下健三、藤木忠義、宮脇檀と小住宅の傑作が紹介されていり、かなり本格的。
住宅設計のプロセスの紹介や、設計の26のセオリーもおさえるべきことをおさえた内容でこういうことなら一般の人にも知ってもらいたいし、プロも割と使えるものになっていた。(ただし、セオリーで到達できることには限界がある)

これなら、住宅を設計すると言う仕事が等身大で伝わるのではないだろうか。

別冊家庭画報の他の住宅シリーズを読んでみたくなった。

昨日なんとなく見ていた『金スマ』に風水建築デザイナーなる人物が出ていてどこかで見たことあるなーと思ったら、この本に載っていた。この人だけ全体の趣と違って浮いてるなーと思ったので印象に残っていたのだが、今人気の人のようだ。編集部のウケ狙いが垣間見えた見えた気がして本著ではここだけが残念。ちょっと本の方向性がブレたんじゃないだろうか。
家相や風水を否定はしない。環境を読んだり、気の流れを空間の性格や人の感じ方の表現と考えると、なるほどなと思うことも多々ある。ただ、個々の部分だけを挙げて、これは吉、これは凶というのは正直困り者。
ただでさえ、情報過多の部分的な知識の積み重ねで、全体を見失う傾向があるのにそれに拍車をかけることになりかねない。
例えばこの本でも家相の知識として『2階が1階より大きいのは凶』と挙げられている。
一方、同じ本書で挙げられている名作小住宅のベストワンは吉村順三の森の中の家だが、これなどは2階が大きいことにが最大のポイントであり、家相の部分的な知識を盲信してしまえばこの名作は生まれなかったはずである。家相や風水はひとつの知恵として参考にするぐらいがいいのではないだろうか。(風水に徹底的にこだわるのもそれはそれでエキサイティングだが)




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