私と空間と想像力

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自己と世界

「私のいる空間が私である」ノエル・アルノー

自己と世界との関係ははるか昔から人間にとって主要なテーマでありつづけました。

普段私たちはこういう事は考えることもなく私は私で世界は別にあるものと感じていると思います。しかし、音楽の世界に浸っているとき、大自然に包まれているときなど、何か自分の世界が広がり、世界と一体になったような感覚は誰でも感じたことがあると思います。僕にとってそのひとつが屋久島での体験でした。

領域の拡大

自分という領域があるとすれば、それは周りの環境や想像力によって無限に大きくなると思います。

例えば自分が鳥になって空を飛んでいることを想像すれば空は自分の領域になります。高台から町の光を見下ろせばその町が自分の領域のように感じます。

建築的な話をすると、家の中心に階段があるとします。その階段をのぼらなくても、階段は登ることを想像させその上の部分にまでイメージを広げます。また、快適なテラスは家の中にいながら外部へ、そして空へとイメージを広げます。さらに想像力をたくましくすれば空は地球上の全ての場所とつながっています。

鹿児島のシンボル的な存在である桜島はそれが見えることで私たちのイメージを一気に引き伸ばしてくれます。

このように、想像力は私たちの世界を広げてくれます。そして、それは私たちのアイデンティティの問題とも深くかかわっています。

「私のいる空間が私である」。だからこそ空間に心地よさを感じられるのかもしれません。

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