B012 『CARLO SCARPA 建築の詩人』

 

建築の詩人 カルロ・スカルパ

斎藤 裕 (1997/07)
TOTO出版



CARLO SCALPA 1906-1978

『「さぁ、遊ぼう!」カルロ・スカルパは、デザインすることに対して、生来倦むことを知らぬ深い意欲に溢れていた人だった。・・・デザインするという作業は、スカルパにとって宝探しのようなものだったのではないか。・・・「さぁ、遊ぼう!」そう言って彼は旅に出かけていく。どんなに長い道のりであろうと、どんなに海が深かろうと、探し求めているものを手に入れるまで、無心に遊ぶ子供のように宝探しは続行される。・・・・』斎藤裕

ブリオン家の墓地を中心とした作品集。
スカルパはこの墓地のために約10年間で1200枚ものスケッチを書いたそうが、美しい写真とともにスカルパの思考の跡が見える図面も多数掲載されていて、見ごたえがある。

僕は、立体を確認するためについ、模型やCGに頼ってしまうのだが、スカルパの図面を見ていると、スケッチと想像力の大切さを改めて感じさせられた。

『そこに行けば、誰もがとても幸せになります。
子供たちが遊び、犬は駆け回る。
すべての墓地がそのようにあるべきです。』
カルロ・スカルパ

スカルパが言うように綿密に計画されたシーン展開には厳かな感覚の中に楽しさを引き出す仕掛けが盛り込まれている。
イタリアにあるこの墓地はぜひ訪れた体験したい建築のひとつです。

途中、ブリオン家の人へのインタビューがあるが、ここにもクライアントと建築家の幸せな関係があります。

クライアントは、村人や知識人の「貴族趣味である」というような批判の中、この文化的な建築を実現させるために『勇気を持ち続けて進めていくこと』が必要だったと述べているが、日本の金持ちにこういうことを期待するのは無理な注文だろうか。




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